大河ドラマ『どうする家康』第34回「豊臣の花嫁」

 今回は徳川家康と羽柴秀吉の駆け引きが描かれました。秀吉は妹の旭を家康の正室に送り込み、家康を上洛させて臣従させようとしますが、秀吉を嫌って警戒している家康は上洛せず、秀吉はさらに自身の母親(大政所)も家康に差し出そうと決意します。前回で徳川から出奔した石川数正(吉輝)は今回も登場し、石川数正の真意は酒井忠次と本多正信と於愛が推測して語り、やっと家康は上洛を決意しますが、ここでも瀬名(築山殿)の想い出が重要な役割を果たし、本作における瀬名の扱いは本当に大きいのだな、と改めて思います。大河ドラマのような長期作品において、骨格となる筋が必要なのは確かだとしても、正直なところ、本作の場合は外してしまったかなあ、との印象は拭えません。まあ、最終回まで視聴しないことには、この評価を確定できませんが。

 なお、来週は放送休止となり、47回か48回で完結になりそうです。本作と同じく徳川家康を主人公とする大河ドラマである1983年放送の『徳川家康』は、50回放送で、第35回にて秀吉の死が描かれましたから、関ヶ原合戦は駆け足気味になるかもしれません。次回初登場となる石田三成の出番は、あまりないのでしょうか。大坂の陣は、本作では茶々の扱いが大きそうなので、関ヶ原合戦よりも詳しく描かれるのではないか、と予想しています。本作については、時間配分や瀬名の扱いなど、不満もそれなりにありますが、全体的にはなかなか楽しめているので、家康が天下人になっていく過程も期待しています。

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