大河ドラマ『どうする家康』第30回「新たなる覇者」

 今回は、本能寺の変の後の羽柴秀吉の台頭が描かれました。徳川家康が主人公なので、北条との戦いなど徳川の動向も描かれましたが、お市の方が主人公といった感もありました。お市の方は秀吉を警戒して柴田勝家と結婚した、と家康は推測していましたが、小谷城が陥落したさいに馴れ馴れしい秀吉をお市の方は一喝しており、遅くともこの頃から、秀吉へのお市の方の印象は悪かったようです。家康の推測通り、お市の方は秀吉が織田家を蔑ろにすると警戒しており、家康が織田信孝および柴田勝家陣営に与して、織田信雄および羽柴秀吉陣営と敵対することを期待していました。

 柴田勝家と羽柴秀吉はともに家康を自陣営に引き込もうとしており、家康家臣の多くは柴田勝家というよりはお市の方にいましたが、徳川家臣に復帰した本多正信は様子見を進言し、石川数正も酒井忠次も同意して、家康は様子見を決断します。お市の方の娘の茶々は、母の窮地を見捨てた家康に対して、深い恨みを抱くようになり、天下を取る、と決心します。この茶々の家康に対する恨みが、本作終盤に描かれるだろう大坂の陣の重要な背景となりそうです。すでに豊臣秀頼とその妻の千姫も成人役が発表されているのに、茶々の成人役はまだ発表されておらず、今回の描写からも、茶々が本作終盤では家康にとって最大の敵となりそうなので、成人した茶々を誰が演じるのか、注目されます。

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