再来年(2025年)の大河ドラマは蔦屋重三郎が主人公の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』

 再来年(2025年)の大河ドラマは蔦屋重三郎が主人公の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』と発表されました。2025年の大河ドラマの予想(関連記事)では幕末以降としましたが、2020年(関連記事)と2022年(関連記事)と2023年(関連記事)に放送予定の大河ドラマ作品の予想で蔦屋重三郎も候補に挙げており、これは客観的な予想というよりは多分に願望だったので、脚本担当が2017年放送の大河ドラマ『おんな城主 直虎』と同じく森下佳子氏ということもあり、たいへん楽しみです。放送開始前の期待値は近年の大河ドラマでは最高なので、名作になるよう願っています。

 本作は、大河ドラマの空白期間(関連記事)を埋めるという観点からも注目されます。来年の大河ドラマは紫式部を主人公とする『光る君へ』で、こちらも大河ドラマの空白期間を埋めることになり、NHKが意図したのかどうか分かりませんが、大河ドラマの空白期間が埋まるという点で私は歓迎しています。喜多川歌麿や山東京伝など、著名な絵師や作家の自負や人間関係の機微といった描写も期待されます。東洲斎写楽が後半の重要人物となりそうですが、現在では、写楽は阿波藩お抱えの能役者である斎藤十郎兵衛と同一人物とするのが有力説で(関連記事)、写楽の「正体探し」が盛んだった1980年代に関連する雑誌や本やテレビ番組に接して浮世絵に関心を抱いた私としては、残念な気持ちも多少あります。現在の研究を踏まえると、写楽について謎解き的要素は少ないかもしれませんが、本作では何かひねってくるのではないか、と期待しています。

 政治家では田沼意次と松平定信が重要人物となりそうで、政局と絡めての描写も楽しみです。大河ドラマでは、確か田沼意次は1995年放送の『八代将軍吉宗』には終盤に登場したと記憶していますが、松平定信はまだ大河ドラマでは登場したことがないでしょうから、この点も注目しています。田沼意次を「改革派」、松平定信を「保守反動派」と把握する見解が、「自由経済」を志向する「論客」の間では一般的なようにも思われますが、Twitterではそうした通俗的見解を批判する指摘もあり(関連記事)、私も専門家の本を読み直したり新たに読んだりしなければなりません。田沼意次と松平定信がどのように描かれるのか、注目されます。主演の横浜流星氏の作品は『私たちはどうかしている』しか見たことはありませんが、和装は似合っていたと思いますので、時代劇で映えるのではないか、と期待しています。

この記事へのコメント

ポッペリアン
2023年04月28日 14:57
ブログ主様は、2014/04/06付け『再来年(2016年)の大河ドラマの予想』の中でも「松平定信・葛飾北斎のどちらかが主人公となるようだと、前半は蔦屋重三郎を重要人物として描くと面白くなるのではないか」と述べておられますね。
天晴れなご見識だと思います。
管理人
2023年04月29日 05:55
ありがとうございます。客観的な予測というよりはほぼ願望でしたが、現実化してひじょうに嬉しく思っています。