謹賀新年
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。ついに2023年を迎えました。昨年も一昨年から続く新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が、日本では収束する見通しは立っておらず、さらには昨年2月にロシアがウクライナに直接的な軍事侵略を開始し、日本でも経済などさまざまな点で悪影響があり、今後の日本社会の見通しは暗く、何とも厳しい時代になりました。私の周囲でも色々と不愉快なことが起きそうですが、人生には楽しみも多いのだ、と開き直ってしぶとく生きていき、古人類学を中心としてさまざまな分野で勉強と情報収集を地道に続けていくつもりです。
昨年は、一昨年と同等以上に古人類学関連の文献を読めたと思います。ブログの記事更新数は、2019年の679本はもちろん、2020年の516本からもかなり減り、2021年の393本からも減って369本となりましたが、2019年と2020年は似たような記事を複数書いてしまい、過去の記事の流用と継ぎ接ぎで終わったような記事も複数掲載してしまったので、充実度という点で、昨年は2019年や2020年や2021年と同等以上だったと思います。それでも、古代DNA研究はとくにそうですが、最新の研究動向には追いつくのはなかなか難しく、追いつくのは無理としても、関連文献を少しでも多く読んでいこう、と考えています。
昨年は大きな買い物がなく、今年もとくに予定はないので、当分は節約を心がけていこう、と考えています。まあ、節約は個人や家族のような小単位では多くの場合で合理的な選択ですが、多くの人が節約に努めれば、社会は貧困化してけっきょく多くの人が苦しむことになります(合成の誤謬)。ほとんどの社会問題は結局のところ、トレードオフ(交換)と合成の誤謬に行きつくので、多くの社会問題は解決困難なのだろう、と私は考えています。もちろん私程度の知見では有効な具体策は思いつかないのですが、私は、こうした矛盾を抱えて解決策を講じていくのも人間の宿命だろう、と開き直り、しぶとく生き続けていきたいものです。
近年では元旦にはこのようにほぼ同じ内容の記事を掲載しており、たまには変わったことを述べようと思うのですが、近年は、怠惰なため惰性でついほぼ前年の記事を流用してきました。そこで今年からは、目標や希望・期待なども述べます。古人類学では、やはり古代DNA研究の進展が期待されますが、ユーラシア西部、とくにヨーロッパと比較して古代DNA研究が大きく遅れているアジア東部での古代DNA研究は、日本人起源論とも直接的に関わってくるだけに、日本人の一人として研究の進展に注目しています。縄文時代の人類集団の形成過程とともに、現代日本人の形成に大きな影響を及ぼしたと考えられる弥生時代以降のユーラシア東部大陸部からの移住が、何回かの大きな波だったのか、それともある程度継続的だったのか、また弥生時代の前半と古墳時代とでは、ユーラシア東部大陸部から日本列島への移民の遺伝的構成に違いがあったのか、ということも注目されます。
ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)や種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)など、非現生人類(Homo sapiens)ホモ属(古代型ホモ属、絶滅ホモ属)の古代DNA研究の進展も期待されますが、これら非現生人類ホモ属のDNAデータはこれまで、現在のロシア領で発見された遺骸から得られたものも多く、ウクライナの被害や広範囲の経済混乱はもちろんのこと、古代DNA研究も、ロシアによるウクライナの侵略のため妨げられているところがあるのではないか、と腹立たしくあります。デニソワ人はこれまで、アルタイ山脈とチベット高原でしか遺伝学的には確認されておらず、デニソワ人である可能性がきわめて高い遺骸は、アルタイ山脈以外ではチベット高原とラオスでしか発見されていません。今年は、それ以外の地域でデニソワ人遺骸が確認される のではないか、と期待しています。とくに中国で発見された中期~後期更新世の分類が曖昧なホモ属化石については、デニソワ人の確認当初からその可能性が指摘されていただけに、注目されます。
娯楽では、『ビッグコミックオリジナル』で連載中の『卑弥呼』が年明け最初の発売号でついに100回目を迎え、まだ魏への使節派遣もまだ先のようなので、かなり長期の連載になるのではないか、と大いに期待しています。今年はどこまで話が進むのでしょうか。今年の大河ドラマは徳川家康が主人公で、徳川家康のように当時としては長命で多くの逸話が知られている人物を主人公とすると、駆け足気味に見える危険性はありますが、どのように緩急をつけながら物語が構成されるのか、楽しみでもあります。4月から放送開始予定の朝ドラ『らんまん』は、最初に題材が発表された時に面白くなりそうだな、と思っていましたが、ヒロインが浜辺美波さんなので、たいへん楽しみにしています。
昨年は、一昨年と同等以上に古人類学関連の文献を読めたと思います。ブログの記事更新数は、2019年の679本はもちろん、2020年の516本からもかなり減り、2021年の393本からも減って369本となりましたが、2019年と2020年は似たような記事を複数書いてしまい、過去の記事の流用と継ぎ接ぎで終わったような記事も複数掲載してしまったので、充実度という点で、昨年は2019年や2020年や2021年と同等以上だったと思います。それでも、古代DNA研究はとくにそうですが、最新の研究動向には追いつくのはなかなか難しく、追いつくのは無理としても、関連文献を少しでも多く読んでいこう、と考えています。
昨年は大きな買い物がなく、今年もとくに予定はないので、当分は節約を心がけていこう、と考えています。まあ、節約は個人や家族のような小単位では多くの場合で合理的な選択ですが、多くの人が節約に努めれば、社会は貧困化してけっきょく多くの人が苦しむことになります(合成の誤謬)。ほとんどの社会問題は結局のところ、トレードオフ(交換)と合成の誤謬に行きつくので、多くの社会問題は解決困難なのだろう、と私は考えています。もちろん私程度の知見では有効な具体策は思いつかないのですが、私は、こうした矛盾を抱えて解決策を講じていくのも人間の宿命だろう、と開き直り、しぶとく生き続けていきたいものです。
近年では元旦にはこのようにほぼ同じ内容の記事を掲載しており、たまには変わったことを述べようと思うのですが、近年は、怠惰なため惰性でついほぼ前年の記事を流用してきました。そこで今年からは、目標や希望・期待なども述べます。古人類学では、やはり古代DNA研究の進展が期待されますが、ユーラシア西部、とくにヨーロッパと比較して古代DNA研究が大きく遅れているアジア東部での古代DNA研究は、日本人起源論とも直接的に関わってくるだけに、日本人の一人として研究の進展に注目しています。縄文時代の人類集団の形成過程とともに、現代日本人の形成に大きな影響を及ぼしたと考えられる弥生時代以降のユーラシア東部大陸部からの移住が、何回かの大きな波だったのか、それともある程度継続的だったのか、また弥生時代の前半と古墳時代とでは、ユーラシア東部大陸部から日本列島への移民の遺伝的構成に違いがあったのか、ということも注目されます。
ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)や種区分未定のホモ属であるデニソワ人(Denisovan)など、非現生人類(Homo sapiens)ホモ属(古代型ホモ属、絶滅ホモ属)の古代DNA研究の進展も期待されますが、これら非現生人類ホモ属のDNAデータはこれまで、現在のロシア領で発見された遺骸から得られたものも多く、ウクライナの被害や広範囲の経済混乱はもちろんのこと、古代DNA研究も、ロシアによるウクライナの侵略のため妨げられているところがあるのではないか、と腹立たしくあります。デニソワ人はこれまで、アルタイ山脈とチベット高原でしか遺伝学的には確認されておらず、デニソワ人である可能性がきわめて高い遺骸は、アルタイ山脈以外ではチベット高原とラオスでしか発見されていません。今年は、それ以外の地域でデニソワ人遺骸が確認される のではないか、と期待しています。とくに中国で発見された中期~後期更新世の分類が曖昧なホモ属化石については、デニソワ人の確認当初からその可能性が指摘されていただけに、注目されます。
娯楽では、『ビッグコミックオリジナル』で連載中の『卑弥呼』が年明け最初の発売号でついに100回目を迎え、まだ魏への使節派遣もまだ先のようなので、かなり長期の連載になるのではないか、と大いに期待しています。今年はどこまで話が進むのでしょうか。今年の大河ドラマは徳川家康が主人公で、徳川家康のように当時としては長命で多くの逸話が知られている人物を主人公とすると、駆け足気味に見える危険性はありますが、どのように緩急をつけながら物語が構成されるのか、楽しみでもあります。4月から放送開始予定の朝ドラ『らんまん』は、最初に題材が発表された時に面白くなりそうだな、と思っていましたが、ヒロインが浜辺美波さんなので、たいへん楽しみにしています。
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