第26回参院選結果
各党の確定議席数は以下の通りで、()は公示前の改選議席数です。
自民党:63(55)
立憲民主党:17(23)
公明党:13(14)
日本維新の会:12(6)
国民民主党:5(7)
共産党:4(6)
れいわ新選組:3(0)
社会民主党:1(1)
NHK党:1(0)
無所属・その他:6(8)
この結果、各党の参議院での議席数は以下の通りとなりました。()は公示前の議席数です。
自民党:119(111)
立憲民主党:39(45)
公明党:27(28)
日本維新の会:21(15)
共産党:11(13)
国民民主党:10(12)
れいわ新選組:5(2)
社会民主党:1(1)
NHK党:2(1)
無所属・その他:13(15)
おおむね大手マスコミの直近の予想通りとなり、自民党がとくに1人区で堅調でした。その大きな要因は、野党共闘が2016年と2019年よりも低調だったことにあると思います。野党共闘を腐す「冷静なネット論客」は珍しくありませんが、確かに野党共闘に大きな限界があり、むしろ本来得られたかもしれない票を失う側面も多分にあるとはいえ、とくに1人区で一定以上の効果があることは否定できないでしょう。野党共闘を腐す「冷静なネット論客」は、民主党系政党を嫌っていたり、中立を装っていても本心では自民党を支持していたりして、野党共闘に自民党の議席を減らす効果が大きいことを、本心では嫌っているのかもしれませんが。
問題なのは、「積極的に動かず目立たない」ことで高支持率を維持できる、と自民党が学習してしまうことで、確かに下手に動くよりも様子見をする方が無難な場合もありますが、岸田政権は安定して国会運営ができる議席を衆参両院で確保でき、その期間は最長で3年間になるわけですから、有権者に嫌われそうな政策でも、必要と判断すれば積極的に国民を説得して実行するくらいの政治姿勢を打ち出してもらいたいものです。とくに「新自由主義」からの脱却には本腰を入れてもらいたいものですが、岸田首相はそこまで胆力の強そうな政治家ではないので、有権者受けのよさそうなことを言っただけで終わりそうなのが懸念されます。
私が投票した東京選挙区(定数6)では、自民党が2人、公明党と共産党と立憲民主党とれいわ新選組が1人ずつ当選となりました。れいわ新選組の山本太郎候補が落選し、立憲民主党の松尾明弘候補が当選していたら、私にとっては理想に近かったのですが、松尾候補の当選はほぼ絶望的という予測でしたから、日本維新の会とファーストの会の候補者がともに落選したことに満足しておくべきでしょうか。とくに、日本維新の会の候補者が落選したことは、その勢力拡大を防ぐ意味で大きかったと思います。投票率は52.05%で、2019年(48.80%)をわずかに上回りましたが、相変わらずの低投票率は深刻な問題です。
比例区での得票率は、自民党34.4%(35.37%)、立憲民主党12.8%(15.81%)、公明党11.7%(13.05%)、日本維新の会14.8%(9.80%)、共産党6.8%(8.95%)、国民民主党6.0%(6.95%)、れいわ新選組4.4%(4.55%)、参政党3.3%(前回は未結成)、社会民主党2.4%(2.09%)、NHK党2.4%(1.97%)となりました。()は2019年の得票率です。自民党がやや減らし、公明党も同様ですが、選挙協力が当初は順調ではなかったことと関連しているのでしょうか。日本維新の会の躍進が目立ちますが、2021年の衆院選の比例代表選(14.01%)と比較すると懸念していたほど伸びているわけではなく、何とか日本維新の会の勢いを止めねばならない、と考えています。
既存野党はおおむね得票率を減らしていますが(社民党の得票率が前回より上がったのは、比例区での得票率が2%未満だと政党要件を失うので、立憲民主党や共産党に投票していた、両党の強固な支持者ではない有権者の一部が社民党に投票したためでしょうか)、立憲民主党と共産党の落ち込みは深刻です。立憲民主党の党勢回復には自民党と日本維新の会の失策が必要になりそうですが、寄せ集め政党でもあるので、立憲民主党を見限って離党する議員が出てくるかもしれません。共産党の党勢回復には、自民党と日本維新の会だけではなく、民主党系政党の失策が必要になるでしょう。不気味なのは参政党で、国政選挙への本格的な参加は今回が初めてなのに、いきなり比例区で3.3%の得票率を得ました。今後、日本維新の会が失速した場合、自民党に不満な有権者を惹きつけるのは、民主党系政党ではなく参政党かもしれず、その動向には警戒しなければならない、と考えています。
今回の参院選の期間中の2022年7月8日には、安倍晋三元首相が遊説中に狙撃されて殺害されました。日本社会の数少ない世界に誇れる点である治安が良いという印象(それが国民の自民党政権への従属につながっている、と批判する「進歩的で良心的」な人もいるとは思いますが)を棄損した点からも、この殺害事件は大いに批判されるべきだと思います。この殺害事件の背景についてはなお不明な点が多いので、今回の言及はここまでとします。なお、当ブログにおける過去の参院選関連記事は以下の通りです。
2007年(第21回)
https://sicambre.seesaa.net/article/200707article_31.html
2010年(第22回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201007article_12.html
2013年(第23回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201307article_23.html
2016年(第24回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201607article_12.html
2019年(第25回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201907article_46.html
自民党:63(55)
立憲民主党:17(23)
公明党:13(14)
日本維新の会:12(6)
国民民主党:5(7)
共産党:4(6)
れいわ新選組:3(0)
社会民主党:1(1)
NHK党:1(0)
無所属・その他:6(8)
この結果、各党の参議院での議席数は以下の通りとなりました。()は公示前の議席数です。
自民党:119(111)
立憲民主党:39(45)
公明党:27(28)
日本維新の会:21(15)
共産党:11(13)
国民民主党:10(12)
れいわ新選組:5(2)
社会民主党:1(1)
NHK党:2(1)
無所属・その他:13(15)
おおむね大手マスコミの直近の予想通りとなり、自民党がとくに1人区で堅調でした。その大きな要因は、野党共闘が2016年と2019年よりも低調だったことにあると思います。野党共闘を腐す「冷静なネット論客」は珍しくありませんが、確かに野党共闘に大きな限界があり、むしろ本来得られたかもしれない票を失う側面も多分にあるとはいえ、とくに1人区で一定以上の効果があることは否定できないでしょう。野党共闘を腐す「冷静なネット論客」は、民主党系政党を嫌っていたり、中立を装っていても本心では自民党を支持していたりして、野党共闘に自民党の議席を減らす効果が大きいことを、本心では嫌っているのかもしれませんが。
問題なのは、「積極的に動かず目立たない」ことで高支持率を維持できる、と自民党が学習してしまうことで、確かに下手に動くよりも様子見をする方が無難な場合もありますが、岸田政権は安定して国会運営ができる議席を衆参両院で確保でき、その期間は最長で3年間になるわけですから、有権者に嫌われそうな政策でも、必要と判断すれば積極的に国民を説得して実行するくらいの政治姿勢を打ち出してもらいたいものです。とくに「新自由主義」からの脱却には本腰を入れてもらいたいものですが、岸田首相はそこまで胆力の強そうな政治家ではないので、有権者受けのよさそうなことを言っただけで終わりそうなのが懸念されます。
私が投票した東京選挙区(定数6)では、自民党が2人、公明党と共産党と立憲民主党とれいわ新選組が1人ずつ当選となりました。れいわ新選組の山本太郎候補が落選し、立憲民主党の松尾明弘候補が当選していたら、私にとっては理想に近かったのですが、松尾候補の当選はほぼ絶望的という予測でしたから、日本維新の会とファーストの会の候補者がともに落選したことに満足しておくべきでしょうか。とくに、日本維新の会の候補者が落選したことは、その勢力拡大を防ぐ意味で大きかったと思います。投票率は52.05%で、2019年(48.80%)をわずかに上回りましたが、相変わらずの低投票率は深刻な問題です。
比例区での得票率は、自民党34.4%(35.37%)、立憲民主党12.8%(15.81%)、公明党11.7%(13.05%)、日本維新の会14.8%(9.80%)、共産党6.8%(8.95%)、国民民主党6.0%(6.95%)、れいわ新選組4.4%(4.55%)、参政党3.3%(前回は未結成)、社会民主党2.4%(2.09%)、NHK党2.4%(1.97%)となりました。()は2019年の得票率です。自民党がやや減らし、公明党も同様ですが、選挙協力が当初は順調ではなかったことと関連しているのでしょうか。日本維新の会の躍進が目立ちますが、2021年の衆院選の比例代表選(14.01%)と比較すると懸念していたほど伸びているわけではなく、何とか日本維新の会の勢いを止めねばならない、と考えています。
既存野党はおおむね得票率を減らしていますが(社民党の得票率が前回より上がったのは、比例区での得票率が2%未満だと政党要件を失うので、立憲民主党や共産党に投票していた、両党の強固な支持者ではない有権者の一部が社民党に投票したためでしょうか)、立憲民主党と共産党の落ち込みは深刻です。立憲民主党の党勢回復には自民党と日本維新の会の失策が必要になりそうですが、寄せ集め政党でもあるので、立憲民主党を見限って離党する議員が出てくるかもしれません。共産党の党勢回復には、自民党と日本維新の会だけではなく、民主党系政党の失策が必要になるでしょう。不気味なのは参政党で、国政選挙への本格的な参加は今回が初めてなのに、いきなり比例区で3.3%の得票率を得ました。今後、日本維新の会が失速した場合、自民党に不満な有権者を惹きつけるのは、民主党系政党ではなく参政党かもしれず、その動向には警戒しなければならない、と考えています。
今回の参院選の期間中の2022年7月8日には、安倍晋三元首相が遊説中に狙撃されて殺害されました。日本社会の数少ない世界に誇れる点である治安が良いという印象(それが国民の自民党政権への従属につながっている、と批判する「進歩的で良心的」な人もいるとは思いますが)を棄損した点からも、この殺害事件は大いに批判されるべきだと思います。この殺害事件の背景についてはなお不明な点が多いので、今回の言及はここまでとします。なお、当ブログにおける過去の参院選関連記事は以下の通りです。
2007年(第21回)
https://sicambre.seesaa.net/article/200707article_31.html
2010年(第22回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201007article_12.html
2013年(第23回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201307article_23.html
2016年(第24回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201607article_12.html
2019年(第25回)
https://sicambre.seesaa.net/article/201907article_46.html
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