大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第25回「天が望んだ男」

 今回は源頼朝の死が描かれました。頼朝の死は本作の山場となりそうなので、大いに注目していました。本作と舞台がほぼ重なる1979年放送の大河ドラマ『草燃える』は全51回放送で、頼朝の死は第32回でした。本作が全何回になるのか知りませんが、近年の大河ドラマでは恒例だった季節ごとの休止がないので、2017年放送の『おんな城主 直虎』以来久しぶりに50回の放送となりそうです。それでも、『草燃える』よりも頼朝の死は早く、頼朝死後の陰惨な粛清劇により多くの時間を割きたい、ということでしょうか。

 頼朝が心身の不調から疑心暗鬼に陥っていき、また弱気になっていくところは、なかなか上手く描けていたのではないか、と思います。頼朝が北条義時には本音を打ち明けたのは序盤と同様で、義時こそが頼朝を継ぐ大政治家という位置づけを表しているのでしょうか。頼朝の死は誰かの陰謀ではなく、いわば自業自得といったところがあり、安っぽくなかったのはよかったと思います。今回は確かに大きな区切りといった感じで、次回以降の展開を考えると憂鬱でもありますが、陰惨な粛清劇がどのように描かれるのか、注目もしています。

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