大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第24回「変わらぬ人」

　今回は、今回は『曽我物語』で有名な富士の巻狩りの余波が描かれました。源頼朝は、自分の生死が不明だった時に鎌倉殿であるかのように振舞った弟の範頼への疑念を募らせ、範頼は伊豆の修善寺に幽閉となります。頼朝はその立場上猜疑心が強くなっていき、けっきょは範頼の殺害を命じますが、そのことに苦悩しているようです。こうした業の深さは北条義時にも通ずるのでしょうが、それが本格化するのは比企一族と畠山重忠の討滅の頃でしょうか。都での政子・大姫の母子と丹後局とのやり取りはなかなか見ごたえがあり、今後も鎌倉と朝廷の関係の描写には期待できそうです。

　北条義時は比奈（姫の前）と結婚しましたが、義時が比奈に執心している様子は全くなく、この面での比奈の役割は八重が担っているのだな、と改めて思います。土御門通親は今回が初登場となり、いかにも策謀家といった感じですが、そろそろ頼朝は退場となりそうですから、通親の出番はあまり多くなさそうです。巴は久々の登場となり、あるいは今後何か重要な役割を担うかもしれません。範頼を殺したのは善児ですが、その場面を見た女子が、すでに発表されている、善児に育てられた孤児のトウのようです（後でオープニングを確認したら名前がありました）。善児がどのような思惑でトウを育てたのか、善児の志とは何なのか、「鬱憤と恩愛の迫間で生きる」トウの今後が注目されます。善児は最期トウに自分を殺させるような気もします。