大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第18回「壇ノ浦で舞った男」

 今回は一気に平家の滅亡まで話が進みました。源義経と梶原景時の関係が、単なる対立や景時の義経に対する警戒・敵視ではなく、景時が誰よりも義経の軍才を理解しているのは、これまでの源平もの大河ドラマではなかった設定なのではないか、と思います。まあ、1966年放送の『源義経』と1972年放送の『新・平家物語』は視聴していないので、断定はできませんが。壇ノ浦の戦いの描写は伝統的な源平ものに寄せてきたところもあり、ここはやや意外でしたが、本作の義経の個性をさらに際立たせるものになっていたと思います。

 源頼朝は異母弟の義経の軍功と増長を本格的に警戒し始め、これが義経の没落につながるわけですが、義経を自身にとっての脅威としてのみ考えているわけではなく、兄弟の情のようなものも残っており、何とか義経との関係を維持したいような感情も見られます。義経の妻も静も本作ではほとんど出番がありませんが、本作の主人公は義時なので、二人が詳しく描かれないことに問題はないと思います。本作はこれまで、源氏の打倒平家が重要な軸の一つとなっていましたが、今回で平家は滅亡しました。ただ、本作の前半の大きな区切りとなるのは、義経の最期になりそうです。

この記事へのコメント