フランス大統領選結果
フランス政治には詳しくありませんし、普段熱心に情報を収集しているわけでもありませんが、当ブログでは開設以降のフランス大統領選全てに言及してきたので、今回も取り上げます。フランス大統領選は1回目で過半数の票を獲得する候補がいればそれで決まりなのですが、最近ではずっと1回目の投票での上位2候補による決選投票になっており、今回も、予想通り過半数の票を獲得した候補はおらず、1位の現職のマクロン候補と2位のルペン候補が決選投票に進むことになりました。1回目の投票での主要候補の順位と得票率は以下の通りです。
1位マクロン候補(27.6%)
2位ルペン候補(23.4%)
3位メランション候補(22.0%)
4位ゼムール候補(7.1%)
5位ペクレス候補(4.8%)
直近の世論調査から大きく外れた結果ではないものの、メランション候補が予想以上に健闘し、ゼムール候補とペクレス候補は逆に振るわなかったように思います。今年(2022年)初めまでは、経済政策などへの不満からマクロン大統領の再選が確定的とは言えない、というような印象を私は受けていました。しかし、昨年末からウクライナ情勢が緊迫する中で、マクロン大統領が「調停者」としてロシアのプーチン大統領とたびたび会談し、今年2月にロシアがウクライナへの侵略を開始した後も両者の会談が続けられたことから、マクロン大統領の存在感が高まり、一時はかなりの支持で再選されるだろう、と見込まれていたように思います。
しかし、「調停」が成功していればともかく、現時点ではロシアによるウクライナへの侵略戦争は続いており、停戦の目処が見えていませんし、何よりも経済政策への不満から、一時よりもマクロン大統領の支持率は下がってきたようです。それでも、マクロン大統領は1位で決選投票に進むことになり、相手は「極右」のルペン候補ですから、ゼムール候補の支持者のかなりの割合が決選投票でルペン候補支持に回ったとしても、マクロン大統領が勝つ可能性は高そうです。ただ、メランション候補は自身の支持者にルペン候補に投票しないよう訴えているものの、メランション候補の支持者がかなりルペン候補に投票する可能性も指摘されており、じっさい最近の世論調査では、決選投票での得票率はマクロン候補が52%に対してルペン候補は48%程度と予想されており、前回のような圧勝(マクロン候補が66.10%に対してルペン候補が33.9%)ではなく、差は縮まりそうです。
マクロン大統領の再選の可能性は高そうですが、ウクライナ情勢が流動的なこともあり、ルペン候補が勝つ可能性も無視できない程度にはあるようです。マクロン大統領が再選となれば、ウクライナ情勢でマクロン大統領の「調停」はまだ奏功したとはとても言えませんが、今後活かされてくる場面もあるのではないか、と期待されます。困難ではありますが、侵略者のロシアに大きな「見返り」を与えず、ロシア軍を一刻も早くウクライナから撤退させ、停戦協定が締結されてもらいたいものです。なお、過去のフランス大統領選に関する記事は以下の通りです。
2007年
https://sicambre.seesaa.net/article/200705article_8.html
2012年
https://sicambre.seesaa.net/article/201205article_8.html
2017年
https://sicambre.seesaa.net/article/201704article_27.html
https://sicambre.seesaa.net/article/201705article_9.html
1位マクロン候補(27.6%)
2位ルペン候補(23.4%)
3位メランション候補(22.0%)
4位ゼムール候補(7.1%)
5位ペクレス候補(4.8%)
直近の世論調査から大きく外れた結果ではないものの、メランション候補が予想以上に健闘し、ゼムール候補とペクレス候補は逆に振るわなかったように思います。今年(2022年)初めまでは、経済政策などへの不満からマクロン大統領の再選が確定的とは言えない、というような印象を私は受けていました。しかし、昨年末からウクライナ情勢が緊迫する中で、マクロン大統領が「調停者」としてロシアのプーチン大統領とたびたび会談し、今年2月にロシアがウクライナへの侵略を開始した後も両者の会談が続けられたことから、マクロン大統領の存在感が高まり、一時はかなりの支持で再選されるだろう、と見込まれていたように思います。
しかし、「調停」が成功していればともかく、現時点ではロシアによるウクライナへの侵略戦争は続いており、停戦の目処が見えていませんし、何よりも経済政策への不満から、一時よりもマクロン大統領の支持率は下がってきたようです。それでも、マクロン大統領は1位で決選投票に進むことになり、相手は「極右」のルペン候補ですから、ゼムール候補の支持者のかなりの割合が決選投票でルペン候補支持に回ったとしても、マクロン大統領が勝つ可能性は高そうです。ただ、メランション候補は自身の支持者にルペン候補に投票しないよう訴えているものの、メランション候補の支持者がかなりルペン候補に投票する可能性も指摘されており、じっさい最近の世論調査では、決選投票での得票率はマクロン候補が52%に対してルペン候補は48%程度と予想されており、前回のような圧勝(マクロン候補が66.10%に対してルペン候補が33.9%)ではなく、差は縮まりそうです。
マクロン大統領の再選の可能性は高そうですが、ウクライナ情勢が流動的なこともあり、ルペン候補が勝つ可能性も無視できない程度にはあるようです。マクロン大統領が再選となれば、ウクライナ情勢でマクロン大統領の「調停」はまだ奏功したとはとても言えませんが、今後活かされてくる場面もあるのではないか、と期待されます。困難ではありますが、侵略者のロシアに大きな「見返り」を与えず、ロシア軍を一刻も早くウクライナから撤退させ、停戦協定が締結されてもらいたいものです。なお、過去のフランス大統領選に関する記事は以下の通りです。
2007年
https://sicambre.seesaa.net/article/200705article_8.html
2012年
https://sicambre.seesaa.net/article/201205article_8.html
2017年
https://sicambre.seesaa.net/article/201704article_27.html
https://sicambre.seesaa.net/article/201705article_9.html
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