『卑弥呼』第82話「絶望」
『ビッグコミックオリジナル』2022年3月20日号掲載分の感想です。前回は、洞窟に閉じ込められたヤノハが弟のチカラオ(ナツハ)に、オオヒコたちが救助に来る前に洞窟から脱出できれば、二人の間の息子であるヤエトと共に、三人でどこかでひっそりと暮らせる、と語りかけるところで終了しました。今回は、山社(ヤマト)にて、ミマト将軍とその娘のイクメが、事代主(コトシロヌシ)の書簡を読んでいる場面から始まります。その書簡は宍門(アナト)と那(ナ)を経由して、出雲からわずか2日で山社へと届きました。事代主は、鬼国(キノクニ)が金砂(カナスナ)国に攻め込んだので、山社とその同盟国への助力を要請してきました。ミマト将軍は、決断できるのは日見子(ヒミコ)様、つまりヤノハだけなので、千穂(現在の高千穂でしょうか)に行き、巖谷から出て山社に帰還するよう、日見子様を説得するよう、イクメに命じます。
千穂では、洞窟に閉じ込められたヤノハが、その弟のチカラオ(ナツハ)とともに、脱出を試みていました。ヤノハは洞窟の外にいるチカラオに紐のようなものを要求し、チカラオは仔犬を読んで小さな穴に入らせ、紐を届けます。ヤノハは穴の周囲をチカラオとともに広げていこうと考えます。ヌカデはオオヒコと邑人に援助を要請しますが、雨による増水のため洞窟の前の川はさらに渡りづらくなっていました。強引に渡河しようとするオオヒコをヌカデは引き止め、日見子様が無事ならば岩や天井を洞窟の入口から除去しなければならず、それには人力が必要なので、今犠牲者を出すわけにはいかず、雨が止んで川の水位が低下するのを待とう、と説得します。ヤノハはチカラオとともに洞窟の穴を広げようとしますが、息子のヤエトが泣き出します。川を挟んで洞窟の対岸では、邑人のうちウズメという少女が踊りながら祈祷を始め、邑人が日見子の無事を祈ります。ヤノハが授乳しようとしても乳は出てこず、代わりに米汁を与えても、ヤエトは食べようとしません。絶望しかけたヤノハが、邑人たちが自分の無事を祈り、必ず助けると言っているのを聞いて、涙を流すところで今回は終了です。
今回は、ヤノハがチカラオとともに洞窟から脱出しようとする試みと、邑人たちの日見子への厚い信頼が描かれました。息子のヤエトが衰弱死する恐れから、ヤエトを中心に考えるようになったヤノハは絶望しかけますが、邑人たちの想いを知り、再び日見子としての役割を全うしようと考えるようになるのでしょうか。ただ、その場合、ヤエトの存在をヌカデとチカラオ以外の者にどう隠すのかが、まず問題となります。さらに、ヤエトを育てながら日見子の役割を果たすことは無理でしょうから、ヌカデが提案したように、ヤエトを里子に出すことになります。ヤノハはヤエトに殺される、とモモソは予言しており、後に真相を知ったヤエトが母のヤノハを恨むようになるのでしょうか。あるいは、そうした単純な話ではなく、ヤエトがヤノハを母とは知らずに死に追いやる場合も考えられます。まずは、ヤノハがこの窮地をどう脱するのか、注目されます。今回の注目点は、祈祷を始めたウズメという少女で、山社の祈祷女(イノリメ)の副長だった同名の人物は、ヤノハを強く恨んでいるヒルメに殺されました。単に同名なのかもしれませんが、祈祷女としての素質のある女性はウズメと改名する風習があるのかもしれません。ウズメはモブキャラではなさそうな容貌なので、今後重要な役割を果たすことになるかもしれず、注目されます。
千穂では、洞窟に閉じ込められたヤノハが、その弟のチカラオ(ナツハ)とともに、脱出を試みていました。ヤノハは洞窟の外にいるチカラオに紐のようなものを要求し、チカラオは仔犬を読んで小さな穴に入らせ、紐を届けます。ヤノハは穴の周囲をチカラオとともに広げていこうと考えます。ヌカデはオオヒコと邑人に援助を要請しますが、雨による増水のため洞窟の前の川はさらに渡りづらくなっていました。強引に渡河しようとするオオヒコをヌカデは引き止め、日見子様が無事ならば岩や天井を洞窟の入口から除去しなければならず、それには人力が必要なので、今犠牲者を出すわけにはいかず、雨が止んで川の水位が低下するのを待とう、と説得します。ヤノハはチカラオとともに洞窟の穴を広げようとしますが、息子のヤエトが泣き出します。川を挟んで洞窟の対岸では、邑人のうちウズメという少女が踊りながら祈祷を始め、邑人が日見子の無事を祈ります。ヤノハが授乳しようとしても乳は出てこず、代わりに米汁を与えても、ヤエトは食べようとしません。絶望しかけたヤノハが、邑人たちが自分の無事を祈り、必ず助けると言っているのを聞いて、涙を流すところで今回は終了です。
今回は、ヤノハがチカラオとともに洞窟から脱出しようとする試みと、邑人たちの日見子への厚い信頼が描かれました。息子のヤエトが衰弱死する恐れから、ヤエトを中心に考えるようになったヤノハは絶望しかけますが、邑人たちの想いを知り、再び日見子としての役割を全うしようと考えるようになるのでしょうか。ただ、その場合、ヤエトの存在をヌカデとチカラオ以外の者にどう隠すのかが、まず問題となります。さらに、ヤエトを育てながら日見子の役割を果たすことは無理でしょうから、ヌカデが提案したように、ヤエトを里子に出すことになります。ヤノハはヤエトに殺される、とモモソは予言しており、後に真相を知ったヤエトが母のヤノハを恨むようになるのでしょうか。あるいは、そうした単純な話ではなく、ヤエトがヤノハを母とは知らずに死に追いやる場合も考えられます。まずは、ヤノハがこの窮地をどう脱するのか、注目されます。今回の注目点は、祈祷を始めたウズメという少女で、山社の祈祷女(イノリメ)の副長だった同名の人物は、ヤノハを強く恨んでいるヒルメに殺されました。単に同名なのかもしれませんが、祈祷女としての素質のある女性はウズメと改名する風習があるのかもしれません。ウズメはモブキャラではなさそうな容貌なので、今後重要な役割を果たすことになるかもしれず、注目されます。
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