大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第5回「兄との約束」

 今回は、源頼朝の挙兵の成功と、その後の大敗に、北条義時の兄の宗時の死までが描かれました。次回以降で、この後の頼朝の大逆襲と、坂東における覇権確立が描かれるわけですが、これはほぼ史実通りで、挙兵後の頼朝の生涯そのものがたいへん劇的だとよく分かります。源平ものが大河ドラマなど創作で多く取り上げられてきたのは、もちろん源義経への判官贔屓による高い人気もあるものの、この劇的な展開のためでもあるのでしょう。義経のような高い一般人気はないものの、頼朝生涯も義経に劣らないほど劇的で、物語向けだとは思います。

 頼朝はまず山木兼隆を攻撃して討ち取りますが、これはあっさりとした描写で、大庭景親が頼朝軍を大きく上回る大軍で頼朝討伐に赴き、石橋山の戦いへと至る経緯と戦闘場面が中心に描かれました。頼朝が甲斐武田を警戒しているところなど、頼朝の「源氏の棟梁」としての地位とその後の覇権を前提・必然としていないところは、歴史ドラマとしてよいと思います。石橋山での戦いでの大敗からの頼朝の逆襲では、梶原景時と上総広常が重要な役割を果たすわけですが、まだ上総広常は登場していないものの、梶原景時は今回初めて登場しました。梶原景時の人物像はまだほとんど明らかになっていませんが、今回見た限りでは、冷静沈着な人物のように思えました。その梶原景時の悲惨な最期がどう描かれるのかも、今後の見どころになりそうです。上総広常は次回が初登場となりそうで、楽しみです。

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