自分のBMIと体サイズの自己認識
自分のBMIと体サイズの自己認識に関する研究(Gruszka et al., 2022)が公表されました。この研究は、2010~2011年のポーランドの成人744人のBMIを算出し、この結果を調査参加者自身が見積もったBMIと体サイズと比較しました。参加者は平均年齢が36歳で、女性が60.7%を占めており、自分の体にどれだけ満足しているのか、という質問にも回答しました。参加者は、21人が低体重BMI(18.5kg/m²未満)、326人が標準BMI(18.5~24.9 kg/m²)、221人が過体重BMI(25.0~29.9 kg/m²)、176人が肥満BMI(30.0 kg/m²以上)でした。
この研究は、参加者の63.5%が自分のBMIを正しく推定でき、49.5%が自分の体サイズを正しく推定できた、と明らかにしました。また、自分のBMIと体サイズを過小に評価する参加者が多いことも示されました。標準BMIだった人の17.6%が自分を低体重BMIと推定し、過体重BMIだった人の14.3%が標準BMIと推定し、肥満BMIだった人の41.6%が過体重BMIと推定していました。また、標準的な体サイズだった人の39.8%は自分が低体重の体サイズだと推定し、過体重の体サイズの人の35.7%が標準的な体サイズだと推定し、肥満の体サイズの人の49.9%が過体重の体サイズだと推定しました。現在の体サイズに満足していると回答したのは、参加者の1/4(25.4%)にすぎず、参加者の65.7%は、もっと小柄になりたい、と回答しました。男性は女性と比べて、自分のBMIと体サイズを過小に評価し、自分の体型に満足している傾向が有意に強いことも示されました。
この研究は、肥満の罹患率が上昇していることと肥満に関連づけられる社会的汚名のために、成人が自分自身のBMIと体サイズを過小に評価する傾向が強まっている、との見解を提示しており、体サイズの認知に関する心理学的介入が体重管理の改善に役立つかどうかを調べるためには、さらなる研究が必要になる、と指摘しています。こうした自己認識の性差について、進化的基盤があるのか、という観点からの研究の進展も期待されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
心理学:多くの成人が自分のBMIと体サイズを正しく認知していない
ポーランドの成人744人を対象とした調査で、自分のボディマス指数(BMI)を正しく見積もれる人は全体の3分の2未満で、自分の体サイズを正しく言い当てられる人は半数に満たないことが明らかになった。この結果を報告する論文が、Scientific Reports に掲載される。
今回、Wojciech Gruszkaたちは、2010~2011年の成人のBMIを算出し、この結果を調査参加者自身が見積もったBMIと体サイズと比較した。参加者は、平均年齢が36歳で、女性が60.7%を占めており、自分の体にどれだけ満足しているかという質問にも回答した。参加者は、21人が低体重BMI(18.5キログラム/平方メートル未満)、326人が標準BMI(18.5~24.9キログラム/平方メートル)、221人が過体重BMI(25.0~29.9キログラム/平方メートル)、176人が肥満BMI(30.0キログラム/平方メートル以上)であった。
Gruszkaたちは、参加者の63.5%が自分のBMIを正しく推定でき、49.5%が自分の体サイズを正しく推定できたことを明らかにした。また、自分のBMIと体サイズを過小に評価する参加者が多いことも分かった。標準BMIだった人の17.6%が自分を低体重BMIと推定し、過体重BMIだった人の14.3%が標準BMIと推定し、肥満BMIだった人の41.6%が過体重BMIと推定していた。また、標準的な体サイズだった人の39.8%は自分が低体重の体サイズだと推定し、過体重の体サイズの人の35.7%が標準的な体サイズだと推定し、肥満の体サイズの人の49.9%が過体重の体サイズだと推定した。現在の体サイズに満足していると回答したのは、参加者の4分の1(25.4%)にすぎず、参加者の65.7%は、もっと小柄になりたいと回答した。男性は、女性と比べて、自分のBMIと体サイズを過小に評価し、自分の体型に満足している傾向が有意に強かった。
Gruszkaたちは、肥満の罹患率が上昇していることと肥満に関連付けられる社会的汚名のために、成人が自分自身のBMIと体サイズを過小に評価する傾向が強まっているという考えを示しており、体サイズの認知に関する心理学的介入が体重管理の改善に役立つかどうかを調べるためには、さらなる研究が必要だと付言している。
参考文献:
Gruszka W. et al.(2022): Perception of body size and body dissatisfaction in adults. Scientific Reports, 12, 1159.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-04706-6
この研究は、参加者の63.5%が自分のBMIを正しく推定でき、49.5%が自分の体サイズを正しく推定できた、と明らかにしました。また、自分のBMIと体サイズを過小に評価する参加者が多いことも示されました。標準BMIだった人の17.6%が自分を低体重BMIと推定し、過体重BMIだった人の14.3%が標準BMIと推定し、肥満BMIだった人の41.6%が過体重BMIと推定していました。また、標準的な体サイズだった人の39.8%は自分が低体重の体サイズだと推定し、過体重の体サイズの人の35.7%が標準的な体サイズだと推定し、肥満の体サイズの人の49.9%が過体重の体サイズだと推定しました。現在の体サイズに満足していると回答したのは、参加者の1/4(25.4%)にすぎず、参加者の65.7%は、もっと小柄になりたい、と回答しました。男性は女性と比べて、自分のBMIと体サイズを過小に評価し、自分の体型に満足している傾向が有意に強いことも示されました。
この研究は、肥満の罹患率が上昇していることと肥満に関連づけられる社会的汚名のために、成人が自分自身のBMIと体サイズを過小に評価する傾向が強まっている、との見解を提示しており、体サイズの認知に関する心理学的介入が体重管理の改善に役立つかどうかを調べるためには、さらなる研究が必要になる、と指摘しています。こうした自己認識の性差について、進化的基盤があるのか、という観点からの研究の進展も期待されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
心理学:多くの成人が自分のBMIと体サイズを正しく認知していない
ポーランドの成人744人を対象とした調査で、自分のボディマス指数(BMI)を正しく見積もれる人は全体の3分の2未満で、自分の体サイズを正しく言い当てられる人は半数に満たないことが明らかになった。この結果を報告する論文が、Scientific Reports に掲載される。
今回、Wojciech Gruszkaたちは、2010~2011年の成人のBMIを算出し、この結果を調査参加者自身が見積もったBMIと体サイズと比較した。参加者は、平均年齢が36歳で、女性が60.7%を占めており、自分の体にどれだけ満足しているかという質問にも回答した。参加者は、21人が低体重BMI(18.5キログラム/平方メートル未満)、326人が標準BMI(18.5~24.9キログラム/平方メートル)、221人が過体重BMI(25.0~29.9キログラム/平方メートル)、176人が肥満BMI(30.0キログラム/平方メートル以上)であった。
Gruszkaたちは、参加者の63.5%が自分のBMIを正しく推定でき、49.5%が自分の体サイズを正しく推定できたことを明らかにした。また、自分のBMIと体サイズを過小に評価する参加者が多いことも分かった。標準BMIだった人の17.6%が自分を低体重BMIと推定し、過体重BMIだった人の14.3%が標準BMIと推定し、肥満BMIだった人の41.6%が過体重BMIと推定していた。また、標準的な体サイズだった人の39.8%は自分が低体重の体サイズだと推定し、過体重の体サイズの人の35.7%が標準的な体サイズだと推定し、肥満の体サイズの人の49.9%が過体重の体サイズだと推定した。現在の体サイズに満足していると回答したのは、参加者の4分の1(25.4%)にすぎず、参加者の65.7%は、もっと小柄になりたいと回答した。男性は、女性と比べて、自分のBMIと体サイズを過小に評価し、自分の体型に満足している傾向が有意に強かった。
Gruszkaたちは、肥満の罹患率が上昇していることと肥満に関連付けられる社会的汚名のために、成人が自分自身のBMIと体サイズを過小に評価する傾向が強まっているという考えを示しており、体サイズの認知に関する心理学的介入が体重管理の改善に役立つかどうかを調べるためには、さらなる研究が必要だと付言している。
参考文献:
Gruszka W. et al.(2022): Perception of body size and body dissatisfaction in adults. Scientific Reports, 12, 1159.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-04706-6
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