『卑弥呼』第78話「志能備の掟」
『ビッグコミックオリジナル』2022年1月20日号掲載分の感想です。前回は、田油津日女(タブラツヒメ)が暈(クマ)の国にあるトンカラリンの洞窟に入っていくところで終了しました。今回は、トンカラリンの洞窟の前で、田油津日女の配下や暈の5人のタケル王がその結果を見守っている場面から始まります。5人のタケル王は、田油津日女が洞窟に入ってから3日目となるのにまだ出ないことから、諦めるかどうか、話し合っていましたが、もう1日待つことに決めます。しかし、4日目になっても田油津日女は洞窟から出てこず、5人のタケル王は帰ることにします。5人のタケル王が帰った後、田油津日女の配下の男性はその他の者に仮面を取って寛ぐよう促し、後は邑人の服に着替えて山社(ヤマト)に帰るだけなので、今宵は酒盛りだ、と言います。翌朝、田油津日女が洞窟から出てくると、配下の者は全員殺されていました。そこへ現れたのは鞠智彦(ククチヒコ)の配下の志能備(シノビ)で、田油津日女に、正体はアカメだと分かっているので仮面を取るよう、勧告します。鞠智彦の配下の志能備は、田油津日女の振る舞いを見るうちに、志能備、それも暈の探り女の動きだと見抜いていました。しかも、日見子(ヒミコ)に選ばれた者以外でトンカラリンの洞窟から出られるのは、迷路の見取り図を記憶している者だけで、それは鞠智彦とその配下の志能備に、アカメしかしない、というわけです。鼻と耳を削がれ、両手両足を切断される、という抜けた志能備の掟アカメはせめて一人でも多く道連れにして死のう、と覚悟して仮面を取ります。なぜ山社の日見子(ヤノハ)に寝返ったのか、問われたアカメは、ヤノハが自分を一人の人として接してくれるからだ、と答えます。鞠智彦配下の志能備の一人が、自分に始末を任せてくれ、と言ってアカメに斬りかかりますが、アカメは木の葉返しの秘技で相手の肩を斬ります。すると、アカメの腕を惜しいと思いつつ、鞠智彦配下の志能備は投擲武器でアカメを倒し、まずアカメの手足を切断しようとします。
山社の千穂(現在の高千穂でしょうか)では、洞窟に籠って出産に備えているヤノハに、ヌカデが食事の世話をしていました。ヤノハから、アカメを暈に送った、と聞かされたヌカデは、暈から我々へと寝返ったアカメになぜそのような非情な命令を下したのだ、と問い詰めます。するとヤノハは、鞠智彦に直接自分の文を届けられるのはアカメしかいないからだ、と答えます。暈は戦人の国で出入りが難しいので、アカメはもう死んでいるかもしれない、というヌカデに、アカメに限ってそんなことはない、とヤノハは力強く答えます。アカメを信じて待つ、もし捕らわれたら自分が助けに行く、というヤノハに、妊娠中なので無理だろう、とヌカデは言います。ヌカデがヤノハに、不安にさせたことを誤り、アカメなら絶対に帰ってくる、と励ますところで今回は終了です。
今回、田油津日女の正体がアカメだと明らかになりました。田油津日女の正体について、アカメは最初から有力候補の一人でしたし、前回でほぼ確定していたので、とくに意外ではありませんでした。今回殺された田油津日女の配下の男性の発言から考えると、ヤノハはアカメを暈の日見子とするつもりはなく、アカメには、暈との表面的な敵対関係を保ったまま、鞠智彦に疫病対策の書簡を届けさせるよう、指示しただけで、その後は田油津日女を暈から山社へ密かに帰還させるつもりだったのでしょう。しかし、アカメの正体は鞠智彦の配下の志能備に見抜かれ、アカメは絶体絶命の危機に陥りました。ここからアカメが脱出するのは不可能に思えますが、鞠智彦はアカメの正体についてある程度見抜いているように思われるので、アカメを殺さないよう、ヤノハと密約を結んでいるかもしれません。トメ将軍とミマアキの帰還も気になりますが、まずは窮地のアカメの運命が注目されます。
山社の千穂(現在の高千穂でしょうか)では、洞窟に籠って出産に備えているヤノハに、ヌカデが食事の世話をしていました。ヤノハから、アカメを暈に送った、と聞かされたヌカデは、暈から我々へと寝返ったアカメになぜそのような非情な命令を下したのだ、と問い詰めます。するとヤノハは、鞠智彦に直接自分の文を届けられるのはアカメしかいないからだ、と答えます。暈は戦人の国で出入りが難しいので、アカメはもう死んでいるかもしれない、というヌカデに、アカメに限ってそんなことはない、とヤノハは力強く答えます。アカメを信じて待つ、もし捕らわれたら自分が助けに行く、というヤノハに、妊娠中なので無理だろう、とヌカデは言います。ヌカデがヤノハに、不安にさせたことを誤り、アカメなら絶対に帰ってくる、と励ますところで今回は終了です。
今回、田油津日女の正体がアカメだと明らかになりました。田油津日女の正体について、アカメは最初から有力候補の一人でしたし、前回でほぼ確定していたので、とくに意外ではありませんでした。今回殺された田油津日女の配下の男性の発言から考えると、ヤノハはアカメを暈の日見子とするつもりはなく、アカメには、暈との表面的な敵対関係を保ったまま、鞠智彦に疫病対策の書簡を届けさせるよう、指示しただけで、その後は田油津日女を暈から山社へ密かに帰還させるつもりだったのでしょう。しかし、アカメの正体は鞠智彦の配下の志能備に見抜かれ、アカメは絶体絶命の危機に陥りました。ここからアカメが脱出するのは不可能に思えますが、鞠智彦はアカメの正体についてある程度見抜いているように思われるので、アカメを殺さないよう、ヤノハと密約を結んでいるかもしれません。トメ将軍とミマアキの帰還も気になりますが、まずは窮地のアカメの運命が注目されます。
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