大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第2回「佐殿の腹」

 今回も源頼朝をめぐっての伊豆の騒動が描かれました。頼朝の身柄をめぐって北条と伊東との間で武力衝突寸前までいきますが、大庭景親の仲裁により、頼朝の身柄を北条が預かり、頼朝が八重と手を切るところで和解となります。まだ全国的な動乱状態に陥る前ですが、自力救済社会の坂東がよく表現されているように思います。当分は伊豆を中心に坂東が主要な舞台となりそうで、都の様子は平清盛と後白河法皇を中心に少なめになるようです。

 主人公の北条義時はまだ頼りなく、周囲の人物に振り回されるばかりで、頼朝と信頼関係を築けていないというか、そもそも義時は頼朝を信用しておらず、迷惑な存在と考えています。これは、頼朝がごく親しい者以外には本音を見せず、つかみどころのない人物として描かれているからでもありますが、今回の最後に頼朝が義時に本音?を語り、義時も兄と同様に頼朝に賭ける気になったようです。まあ、頼朝は他の見込みのありそうな坂東武者にもおそらく「本音」を言っており、そうして忠誠心を獲得していくところが頼朝の優れた政治家としての所以、という設定なのでしょうか。しかし、頼朝にとって義時が他の坂東武者とは異なる位置づけになりそうなことも確かで、頼朝は政子と結びつくことで北条を信頼できる身内とし、政子の弟の義時を忠実な家人にしよう、と考えているのでしょう。今回は比企一族が初登場となり、時政の後妻となる「りく」も北条の館に来て、じょじょに主要人物がそろってきており、話が盛り上がっていくのではないか、と期待されます。

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