ベネチア潟で見つかったローマ時代の道路の証拠
ベネチア潟で見つかったローマ時代の道路の証拠を報告した研究(Madricardo et al., 2021)が公表されました。ベネチア潟は、現在その大部分が水没していますが、ローマ時代には陸路で出入りができました。潟内の複数の島や水路からローマ時代の遺物が発見されていますが、ベネチア潟に人々がどの程度居住していたのかは分かっていません。
この研究は、ベネチア潟内のトレポルティ(Treporti)運河という地域で、ソナー(水中音波探知機)を用いて潟底のマッピングを行ない、北東方向に1140mにわたって並んだ12点の考古学的構造物を発見しました。この構造物の高さは最大2.7mで、長さは最大52.7mでした。以前のトレポルティ運河の調査では、ローマ人が道路建設に使用した敷石に似た石が発見されており、これらの構造物がローマ時代の道路沿いに並んでいた可能性を示しています。
この研究はさらに、トレポルティ運河では高さが最大4m、長さが最大134.8mの構造物4点を発見しました。そのうち最も大きな構造物は、その寸法と他地域で発見された建造物との類似性に基づいて、ドックのような港湾構造物だと考えられています。以前に収集された地質データとモデル化データから、この道路は、ローマ時代には海面上にあった砂質の隆起部分にあった、と示唆されました。現在、この部分は水没しています。
この知見は、ローマ時代にトレポルティ運河に人々の定住地があった可能性を示唆しています。この研究は、トレポルティ運河の道路が、ローマ時代のイタリアのベネト地域の広範な道路ネットワークにつながっており、旅行者や船乗りが現在のキオッジャ市とベネチア潟北部の間を移動するために使用していた、と推測しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
考古学:ベネチア潟で見つかったローマ時代の道路の証拠
ベネチア潟に沈んだローマ時代の道路を発見したことを報告する論文が、今週、Scientific Reports に掲載される。この知見は、ベネチアの建設が始まった紀元5世紀より数世紀前から、ベネチア潟には大規模な集落が存在していたと考えられることを示唆している。
ベネチア潟は、現在はその大部分が水没しているが、ローマ時代には陸路で出入りができた。潟内の複数の島や水路からは、ローマ時代の遺物が発見されているが、ベネチア潟に人々がどの程度居住していたかは分かっていない。
今回、Fantina Madricardoたちは、ベネチア潟内のトレポルティ運河という地域で、ソナー(水中音波探知機)を用いて潟底のマッピングを行い、北東方向に1140メートルにわたって並んだ12点の考古学的構造物を発見した。この構造物の高さは最大2.7メートルで、長さは最大52.7メートルだった。以前のトレポルティ運河の調査では、ローマ人が道路建設に使用した敷石に似た石が発見されており、これらの構造物がローマ時代の道路沿いに並んでいた可能性があることを示している。さらに、Madricardoたちは、トレポルティ運河で、高さが最大4メートル、長さが最大134.8メートルの構造物4点を発見した。そのうち最も大きな構造物は、その寸法と他の地域で発見された建造物との類似性に基づいて、ドックのような港湾構造物だと考えられている。以前に収集された地質データとモデル化データから、この道路は、ローマ時代には海面上にあった砂質の隆起部分にあったことが示唆された。現在、この部分は水没している。
今回の知見は、ローマ時代にトレポルティ運河に人々の定住地があった可能性を示唆している。Madricardoたちは、この道路が、ローマ時代のイタリアのベネト地域の広範な道路ネットワークにつながっており、旅行者や船乗りが現在のキオッジャ市とベネチア潟北部の間を移動するために使用していたという考えを示している。
参考文献:
Madricardo F. et al.(2021): New evidence of a Roman road in the Venice Lagoon (Italy) based on high resolution seafloor reconstruction. Scientific Reports, 11, 13985.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-92939-w
この研究は、ベネチア潟内のトレポルティ(Treporti)運河という地域で、ソナー(水中音波探知機)を用いて潟底のマッピングを行ない、北東方向に1140mにわたって並んだ12点の考古学的構造物を発見しました。この構造物の高さは最大2.7mで、長さは最大52.7mでした。以前のトレポルティ運河の調査では、ローマ人が道路建設に使用した敷石に似た石が発見されており、これらの構造物がローマ時代の道路沿いに並んでいた可能性を示しています。
この研究はさらに、トレポルティ運河では高さが最大4m、長さが最大134.8mの構造物4点を発見しました。そのうち最も大きな構造物は、その寸法と他地域で発見された建造物との類似性に基づいて、ドックのような港湾構造物だと考えられています。以前に収集された地質データとモデル化データから、この道路は、ローマ時代には海面上にあった砂質の隆起部分にあった、と示唆されました。現在、この部分は水没しています。
この知見は、ローマ時代にトレポルティ運河に人々の定住地があった可能性を示唆しています。この研究は、トレポルティ運河の道路が、ローマ時代のイタリアのベネト地域の広範な道路ネットワークにつながっており、旅行者や船乗りが現在のキオッジャ市とベネチア潟北部の間を移動するために使用していた、と推測しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
考古学:ベネチア潟で見つかったローマ時代の道路の証拠
ベネチア潟に沈んだローマ時代の道路を発見したことを報告する論文が、今週、Scientific Reports に掲載される。この知見は、ベネチアの建設が始まった紀元5世紀より数世紀前から、ベネチア潟には大規模な集落が存在していたと考えられることを示唆している。
ベネチア潟は、現在はその大部分が水没しているが、ローマ時代には陸路で出入りができた。潟内の複数の島や水路からは、ローマ時代の遺物が発見されているが、ベネチア潟に人々がどの程度居住していたかは分かっていない。
今回、Fantina Madricardoたちは、ベネチア潟内のトレポルティ運河という地域で、ソナー(水中音波探知機)を用いて潟底のマッピングを行い、北東方向に1140メートルにわたって並んだ12点の考古学的構造物を発見した。この構造物の高さは最大2.7メートルで、長さは最大52.7メートルだった。以前のトレポルティ運河の調査では、ローマ人が道路建設に使用した敷石に似た石が発見されており、これらの構造物がローマ時代の道路沿いに並んでいた可能性があることを示している。さらに、Madricardoたちは、トレポルティ運河で、高さが最大4メートル、長さが最大134.8メートルの構造物4点を発見した。そのうち最も大きな構造物は、その寸法と他の地域で発見された建造物との類似性に基づいて、ドックのような港湾構造物だと考えられている。以前に収集された地質データとモデル化データから、この道路は、ローマ時代には海面上にあった砂質の隆起部分にあったことが示唆された。現在、この部分は水没している。
今回の知見は、ローマ時代にトレポルティ運河に人々の定住地があった可能性を示唆している。Madricardoたちは、この道路が、ローマ時代のイタリアのベネト地域の広範な道路ネットワークにつながっており、旅行者や船乗りが現在のキオッジャ市とベネチア潟北部の間を移動するために使用していたという考えを示している。
参考文献:
Madricardo F. et al.(2021): New evidence of a Roman road in the Venice Lagoon (Italy) based on high resolution seafloor reconstruction. Scientific Reports, 11, 13985.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-92939-w
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