大河ドラマ『青天を衝け』第21回「篤太夫、遠き道へ」

 パリで開催される万国博覧会に徳川昭武が派遣されることになり、栄一(篤太夫)は随行を命じられ、行くと即答します。慶喜は将軍に就任しますが、慶喜を信任していた孝明天皇が没し、これは慶喜にとって政治的には大打撃となりました。栄一は慶喜に呼ばれ、昭武のような若い世代にヨーロッパで学ばせ、今後を託そうと考えている、と慶喜から聞かされます。財政好転など一橋家で功績を重ねてきた栄一を慶喜が高く評価し、信用するようになった、ということなのでしょう。最初から慶喜が栄一の非凡な才を見抜いて重用したのではなく、丁寧に描写されているところは、本作のよいところだと思います。

 栄一と小栗忠順(上野介)との会話では、小栗の気宇壮大な構想が描かれました。小栗は幕末の大河ドラマではあまり登場しないような印象がありますが、本作では主人公の生涯に間接的とはいえ大きな影響を及ぼすことになったので、登場するのは不思議ではないでしょう。栄一と喜作(成一郎)や長七郎との再会も描かれました。息子のいない栄一が外国に行くことになり、栄一は渋沢家の見立て養子に尾高平九郎を迎えようと考えます。次回からしばらくは、栄一が日本にいないことになるので、国内政局は慶喜を中心とした描写になるのでしょう。いよいよ大政奉還まで1年未満となり、今後の激動がどう描かれるのか、楽しみです。

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