大河ドラマ『青天を衝け』第17回「篤太夫、涙の帰京」

 今回は平岡円四郎殺害の余波とともに、禁門の変に四国艦隊下関砲撃事件に天狗党の乱と、幕末の動乱が描かれました。平岡は栄一(篤太夫)にとって大恩人だっただけに、平岡の妻とともにその波紋が描かれました。平岡殺害事件もこれら幕末の動乱の一環で、主人公周辺の描写と歴史的大事件との描写が上手くかみ合ってきたように思います。藤田小四郎と栄一との遭遇が創作なのか否か分かりませんが、創作だとしたら悪くはなかったと思います。本作の慶喜は前半の準主人公とも言うべき重要人物ですから、やはり天狗党の乱の描写は欠かせないように思います。

 四国艦隊下関砲撃事件では、明治時代になって栄一と深く関わることになる井上聞多(馨)と伊藤俊輔(博文)も登場しました。顔見世程度ではありましたが、アーネスト・サトウ相手に食い下がるところもあり、なかなか強い印象を残しました。同じく重要人物と思われる五代才助(友厚)の初登場と比較すると、井上と伊藤の方が見せ場はあったように思います。主人公の栄一が政局の中枢とより直接的に関わるようになり、大河ドラマらしくなってきたので、今後も楽しみです。

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