真正な自己表現と主観的幸福感
真正な自己表現と主観的幸福感に関する研究(Bailey et al., 2020)が公表されました。アメリカ合衆国の人々の約80%は何らかのソーシャルメディアを利用しており、そのようなユーザーの3/4が自身のアカウントを毎日チェックしています。しかし、これらのソーシャルメディア上で理想化された自己像を追求すると、ユーザー個人の幸福に悪影響が及ぶ場合もある、という見解が提示されています。
この研究は、2007~2012年に収集された10560人のフェイスブックユーザーのデータを分析することで、ソーシャルメディア上での自己理想化と真正性が幸福に与える影響を調べました。まず、フェイスブックユーザーは、ビッグファイブ性格特性(同調性や外向性などの諸特性を測定する確立された性格モデル)の測定を含む一連の心理試験を受けました。この研究は次に、ソーシャルメディア上での真正性を推定するために、個々のユーザーが自らの性格について自己申告した内容(心理試験に基づいた結果)とユーザーのソーシャルメディア上の性格(フェイスブック上での「いいね!」と投稿の言葉遣いに基づくコンピューターモデルによる予測結果)を比較しました。
その結果、真正な自己表現が、高水準の生活満足度(全体的な幸福感の尺度)の自己申告と相関していました。この相関関係は、さまざまな性格タイプで一貫して見られると考えられます。また別の研究では、平均年齢23歳の参加者90人が対象とされ、ソーシャルメディア上で真正な投稿をするよう求められた参加者が申告した主観的幸福感のレベルは、他の参加者より高かった、と明らかになりました。こうした認知メカニズムの進化的基盤という観点も注目されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
心理学:フェイスブックで自分に正直になることが幸福につながる
フェイスブックで真正な自己表現をする人は、主観的幸福感を高く申告するという傾向を明らかにした論文が、今週、Nature Communications に掲載される。この知見は、ユーザーがソーシャルメディア上で自己表現をする場合、自分に正直になることが心理的利益をもたらす可能性を示唆している。
米国人の約80%は何らかのソーシャルメディアを利用しており、そのようなユーザーの4分の3が自身のアカウントを毎日チェックしている。しかし、これらのソーシャルメディア上で理想化された自己像を追求すると、ユーザー個人の幸福に悪影響が及ぶことがあるという見解が示されている。
今回、Erica Baileyたちの研究チームは、2007~2012年に収集された1万560人のフェイスブックユーザーのデータを分析することで、ソーシャルメディア上での自己理想化と真正性が幸福に与える影響を調べた。最初に、フェイスブックユーザーは、ビッグファイブ性格特性(同調性や外向性などの諸特性を測定する確立された性格モデル)の測定を含む一連の心理試験を受けた。次に、Baileyたちは、ソーシャルメディア上での真正性を推定するために、個々のユーザーが自らの性格について自己申告した内容(心理試験に基づいた結果)とユーザーのソーシャルメディア上の性格(フェイスブック上での「いいね!」と投稿の言葉遣いに基づくコンピューターモデルによる予測結果)を比較した。その結果、真正な自己表現が、高レベルの生活満足度(全体的な幸福感の尺度)の自己申告と相関していた。この相関関係は、さまざまな性格タイプで一貫して見られると考えられる。
また、Baileyたちは、平均年齢23歳の参加者90人を対象とした別の研究で、ソーシャルメディア上で真正な投稿をするよう求められた参加者が申告した主観的幸福感のレベルは、他の参加者より高かったことを明らかにした。
参考文献:
Bailey ER. et al.(2020): Authentic self-expression on social media is associated with greater subjective well-being. Nature Communications, 11, 4889.
https://doi.org/10.1038/s41467-020-18539-w
この研究は、2007~2012年に収集された10560人のフェイスブックユーザーのデータを分析することで、ソーシャルメディア上での自己理想化と真正性が幸福に与える影響を調べました。まず、フェイスブックユーザーは、ビッグファイブ性格特性(同調性や外向性などの諸特性を測定する確立された性格モデル)の測定を含む一連の心理試験を受けました。この研究は次に、ソーシャルメディア上での真正性を推定するために、個々のユーザーが自らの性格について自己申告した内容(心理試験に基づいた結果)とユーザーのソーシャルメディア上の性格(フェイスブック上での「いいね!」と投稿の言葉遣いに基づくコンピューターモデルによる予測結果)を比較しました。
その結果、真正な自己表現が、高水準の生活満足度(全体的な幸福感の尺度)の自己申告と相関していました。この相関関係は、さまざまな性格タイプで一貫して見られると考えられます。また別の研究では、平均年齢23歳の参加者90人が対象とされ、ソーシャルメディア上で真正な投稿をするよう求められた参加者が申告した主観的幸福感のレベルは、他の参加者より高かった、と明らかになりました。こうした認知メカニズムの進化的基盤という観点も注目されます。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
心理学:フェイスブックで自分に正直になることが幸福につながる
フェイスブックで真正な自己表現をする人は、主観的幸福感を高く申告するという傾向を明らかにした論文が、今週、Nature Communications に掲載される。この知見は、ユーザーがソーシャルメディア上で自己表現をする場合、自分に正直になることが心理的利益をもたらす可能性を示唆している。
米国人の約80%は何らかのソーシャルメディアを利用しており、そのようなユーザーの4分の3が自身のアカウントを毎日チェックしている。しかし、これらのソーシャルメディア上で理想化された自己像を追求すると、ユーザー個人の幸福に悪影響が及ぶことがあるという見解が示されている。
今回、Erica Baileyたちの研究チームは、2007~2012年に収集された1万560人のフェイスブックユーザーのデータを分析することで、ソーシャルメディア上での自己理想化と真正性が幸福に与える影響を調べた。最初に、フェイスブックユーザーは、ビッグファイブ性格特性(同調性や外向性などの諸特性を測定する確立された性格モデル)の測定を含む一連の心理試験を受けた。次に、Baileyたちは、ソーシャルメディア上での真正性を推定するために、個々のユーザーが自らの性格について自己申告した内容(心理試験に基づいた結果)とユーザーのソーシャルメディア上の性格(フェイスブック上での「いいね!」と投稿の言葉遣いに基づくコンピューターモデルによる予測結果)を比較した。その結果、真正な自己表現が、高レベルの生活満足度(全体的な幸福感の尺度)の自己申告と相関していた。この相関関係は、さまざまな性格タイプで一貫して見られると考えられる。
また、Baileyたちは、平均年齢23歳の参加者90人を対象とした別の研究で、ソーシャルメディア上で真正な投稿をするよう求められた参加者が申告した主観的幸福感のレベルは、他の参加者より高かったことを明らかにした。
参考文献:
Bailey ER. et al.(2020): Authentic self-expression on social media is associated with greater subjective well-being. Nature Communications, 11, 4889.
https://doi.org/10.1038/s41467-020-18539-w
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