大相撲初場所千秋楽
両横綱も含めて関取だけでも初日から16人が休場と、今場所は初日前から大荒れが予感され、じっさいその通りとなりました。もはや両横綱の不在にはすっかり慣れてしまいました。これまで、相撲協会は稀勢の里関(現荒磯親方)の悪例を認めた以上、白鵬関と鶴竜関の休場もある程度までは認めるべきだ、との考えから私は両横綱の休場への横綱審議委員会からの厳しい勧告には反対でしたが、さすがに鶴竜関に関しては、そろそろ限界かな、とも思います。鶴竜関は最近日本国籍を取得したので、今場所で引退するのかと思っていたら、全休となりました。鶴竜関にしてみると、まだ稽古不足でとても相撲をとれる状態ではなく、何とか最低限の状態まで持っていき、相撲をとってから進退を判断したい、ということなのかもしれませんが、もう復活は厳しそうです。
白鵬関は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため休場となりました。白鵬関は、もう毎場所優勝争いに加わるだけの力はないとしても、状態を整えて出場できれば、今でも優勝できるくらいの力はまだ残っていると思います。それでも、今後2~3回の優勝が限界でしょうか。相撲史に残る大横綱だけに、できるだけ潔く引退してもらいたいものです。鶴竜関と白鵬関が引退すると、横綱空白期が長くなるかもしれませんが、以前と比較して八百長が激減しているとしたら、今後、全盛期の白鵬関並に現役力士の中で抜けた実力の持ち主でないと、横綱まで昇進するのは難しいかもしれません。その意味で、現在の大関以下の若手力士を、単純に不甲斐ないと責めることはできないでしょう。また、モンゴルやヨーロッパからの入門者もいるとはいえ、やはり人数では日本出身力士が大半を占めるだけに、日本社会の少子高齢化が進むなか、全体的な水準が以前より低下している可能性は高く、若手力士が白鵬関と鶴竜関になかなか取って代われないのは、それが要因かもしれません。
大荒れとなった今場所を象徴しているのが、貴景勝関の大不振です。貴景勝関は突き押し一辺倒で、組むと十両以下の実力のように思われるので、横綱昇進は難しく、横綱に昇進したとしても安定した強さを発揮することは難しいだろう、と考えていましたが、まさか初日から4連敗となり、その後も大不振で2勝7敗まで負けが込むとは予想していませんでした。貴景勝関は10日目から休場となりました。相手に研究されているとしても、今場所の貴景勝関は押し切れない場面が多く、途中からは恐る恐る相撲を取っている感じだったので、精神的な問題も大きいのかもしれません。やはり、貴景勝関が横綱に昇進するのは難しそうで、大関3人の中で最も若いものの、その地位をいつまで保てるのか、危ぶまれます。
優勝争いは、大栄翔関が中日を終えて全勝で単独首位に立ち、しかも1敗力士さえいないという、予想外の展開となりました。その後、大栄翔関が2敗し、危うい相撲を勝って2敗を守った正代関が並んで14日目を迎え、優勝争いは2人に絞られました。14日目にまず大栄翔関が玉鷲関を一瞬引いて呼び込みかけたものの、はたき込んで勝って2敗を守りました。正代関は照ノ富士関相手によく攻めたものの、はたき込まれて負け、星一つの差で大栄翔関を追いかける形で千秋楽を迎えました。
千秋楽は、まず大栄翔関が隠岐の海関と対戦し、押し出して完勝して、13勝2敗で初優勝を果たしました。大栄翔関は先々場所関脇で5勝に終わり、まだ上位には通用しないのかな、と思っていましたが、両横綱が休場していたとはいえ、3大関も含めて三役陣に全勝しての初優勝は見事だと思います。ただ、突き押し相撲だけに、今後安定した成績を残して大関に昇進できるのかとなると、楽観はできません。正代関は朝乃山関に一方的に攻め込まれて押し出しで敗れて11勝4敗で場所を終えました。正代関は現在の3大関では最も安定しているように思いますが、腰高で時として脆さも見せるので、横綱昇進は難しそうです。朝乃山関は11勝4敗で、相撲協会やマスコミの期待は大きいようですが、COVID-19により出稽古が制約されているため、調子を上げることがなかなかできないようです。それでも、年齢と取り口から、3大関の中では最も長く大関の地位を保てるのではないか、と思います。両横綱が引退し、出稽古が解禁となれば、横綱昇進もあるかもしれませんが、できれば、貴景勝関や朝乃山関よりも若い力士の台頭を期待しています。
照ノ富士関は11勝4敗で場所を終えました。まだ膝の状態はよくないようで、押し相撲にやや苦戦するところが見られたので、全盛期の力はとても戻っていない、と言えるでしょう。そのため、脆さも見せましたが、14日目の正代関との一番では、何度も危ないところを残して勝ったように、状態は良くなってきているように思います。来場所は大関復帰がかかりますが、現在の照ノ富士関の状態と他の上位陣との力関係から考えると、大関に復帰できる可能性は低くないでしょう。ただ、膝が完治することはなさそうですから、さすがに横綱昇進は難しそうですし、仮に横綱に昇進しても、満足な成績は残せず、短命に終わるでしょう。COVID-19もあって休場者の多さは残念でしたが、無事に場所が終わったのは何よりでした。
白鵬関は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため休場となりました。白鵬関は、もう毎場所優勝争いに加わるだけの力はないとしても、状態を整えて出場できれば、今でも優勝できるくらいの力はまだ残っていると思います。それでも、今後2~3回の優勝が限界でしょうか。相撲史に残る大横綱だけに、できるだけ潔く引退してもらいたいものです。鶴竜関と白鵬関が引退すると、横綱空白期が長くなるかもしれませんが、以前と比較して八百長が激減しているとしたら、今後、全盛期の白鵬関並に現役力士の中で抜けた実力の持ち主でないと、横綱まで昇進するのは難しいかもしれません。その意味で、現在の大関以下の若手力士を、単純に不甲斐ないと責めることはできないでしょう。また、モンゴルやヨーロッパからの入門者もいるとはいえ、やはり人数では日本出身力士が大半を占めるだけに、日本社会の少子高齢化が進むなか、全体的な水準が以前より低下している可能性は高く、若手力士が白鵬関と鶴竜関になかなか取って代われないのは、それが要因かもしれません。
大荒れとなった今場所を象徴しているのが、貴景勝関の大不振です。貴景勝関は突き押し一辺倒で、組むと十両以下の実力のように思われるので、横綱昇進は難しく、横綱に昇進したとしても安定した強さを発揮することは難しいだろう、と考えていましたが、まさか初日から4連敗となり、その後も大不振で2勝7敗まで負けが込むとは予想していませんでした。貴景勝関は10日目から休場となりました。相手に研究されているとしても、今場所の貴景勝関は押し切れない場面が多く、途中からは恐る恐る相撲を取っている感じだったので、精神的な問題も大きいのかもしれません。やはり、貴景勝関が横綱に昇進するのは難しそうで、大関3人の中で最も若いものの、その地位をいつまで保てるのか、危ぶまれます。
優勝争いは、大栄翔関が中日を終えて全勝で単独首位に立ち、しかも1敗力士さえいないという、予想外の展開となりました。その後、大栄翔関が2敗し、危うい相撲を勝って2敗を守った正代関が並んで14日目を迎え、優勝争いは2人に絞られました。14日目にまず大栄翔関が玉鷲関を一瞬引いて呼び込みかけたものの、はたき込んで勝って2敗を守りました。正代関は照ノ富士関相手によく攻めたものの、はたき込まれて負け、星一つの差で大栄翔関を追いかける形で千秋楽を迎えました。
千秋楽は、まず大栄翔関が隠岐の海関と対戦し、押し出して完勝して、13勝2敗で初優勝を果たしました。大栄翔関は先々場所関脇で5勝に終わり、まだ上位には通用しないのかな、と思っていましたが、両横綱が休場していたとはいえ、3大関も含めて三役陣に全勝しての初優勝は見事だと思います。ただ、突き押し相撲だけに、今後安定した成績を残して大関に昇進できるのかとなると、楽観はできません。正代関は朝乃山関に一方的に攻め込まれて押し出しで敗れて11勝4敗で場所を終えました。正代関は現在の3大関では最も安定しているように思いますが、腰高で時として脆さも見せるので、横綱昇進は難しそうです。朝乃山関は11勝4敗で、相撲協会やマスコミの期待は大きいようですが、COVID-19により出稽古が制約されているため、調子を上げることがなかなかできないようです。それでも、年齢と取り口から、3大関の中では最も長く大関の地位を保てるのではないか、と思います。両横綱が引退し、出稽古が解禁となれば、横綱昇進もあるかもしれませんが、できれば、貴景勝関や朝乃山関よりも若い力士の台頭を期待しています。
照ノ富士関は11勝4敗で場所を終えました。まだ膝の状態はよくないようで、押し相撲にやや苦戦するところが見られたので、全盛期の力はとても戻っていない、と言えるでしょう。そのため、脆さも見せましたが、14日目の正代関との一番では、何度も危ないところを残して勝ったように、状態は良くなってきているように思います。来場所は大関復帰がかかりますが、現在の照ノ富士関の状態と他の上位陣との力関係から考えると、大関に復帰できる可能性は低くないでしょう。ただ、膝が完治することはなさそうですから、さすがに横綱昇進は難しそうですし、仮に横綱に昇進しても、満足な成績は残せず、短命に終わるでしょう。COVID-19もあって休場者の多さは残念でしたが、無事に場所が終わったのは何よりでした。
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