年末の挨拶

 いよいよ2020年も終わりが近づいてきました。一年間この過疎ブログをお読みくださった方、さらには有益な情報を寄せてくださった方には感謝申し上げます。例年、大晦日の記事はおおむね定形化しており、ほぼ流用して一部だけ修正していたのですが、今年からは短くとも1年を回顧するようなことも述べていきます。今年は、1年前にはまったく予想していなかった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な影響のため、日本も大打撃を受け、日本も含めて少なからぬ国で収束する見通しがまだ立っておらず、何とも暗い1年間となりました。東日本大震災が起きた2011年にも痛感しましたが(関連記事)、「平穏な日常」がいかに大切なものなのか、またそれがいかに脆いものなのか、痛感した1年でした。来年はもっと状況が悪化するかもしれませんが、何とかしぶとく生き続けていきたいものです。

 当ブログでは、新型コロナウイルス感染症にほとんど言及しておらず、いくつか関連研究を取り上げたくらいです。これは東日本大震災が起きた2011年と同じく意図的にやったことで、ネット上で怪しげな情報が飛び交い、私程度の見識・能力では気づかずにデマを拡散してしまうかもしれない、と考えたからです。また、努めて「平穏な日常生活」を取り戻したかのように振る舞い、自分自身を落ち着かせ、軽率な行動をとらないようにしよう、と考えたためでもあります。ネットは基本的に世界中の人が閲覧可能であり、緊急時にもその大前提を忘れないようにしないと、デマの拡散に加担してしまう可能性が高くなるのではないか、と思います。もっとも、わずかながらでも、私の選択した行動に効果があったのか、また私の行動が日本社会にとって有益だったのかというと、今でも自信はありませんが。また今年から、その年に当ブログで感想記事を掲載した本のうち、とくに面白いものを取り上げます。今年は、以下の通りです。

天野忠幸『松永久秀と下剋上 室町の身分秩序を覆す』
https://sicambre.seesaa.net/article/202008article_21.html

一ノ瀬俊也『東條英機 「独裁者」を演じた男』
https://sicambre.seesaa.net/article/202008article_39.html

守屋純『独ソ開戦の真実 『ジューコフ回顧録』完全版が明かす』
https://sicambre.seesaa.net/article/202009article_6.html

岩井秀一郎『永田鉄山と昭和陸軍』
https://sicambre.seesaa.net/article/202009article_14.html

岡本隆司『近代日本の中国観 石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで』
https://sicambre.seesaa.net/article/202010article_13.html

岡本隆司『腐敗と格差の中国史』
https://sicambre.seesaa.net/article/202010article_23.html

斎藤成也編著『最新DNA研究が解き明かす。 日本人の誕生』
https://sicambre.seesaa.net/article/202011article_26.html

 これらのなかでもとくにお勧めなのは、天野忠幸『松永久秀と下剋上 室町の身分秩序を覆す』です。なお、過去の面白かった本のまとめは以下の通りです。

(1)2010年4月以前
https://sicambre.seesaa.net/article/201004article_25.html

(2)2010年5月~2013年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/201401article_3.html

(3)2014年1月~2018年4月
https://sicambre.seesaa.net/article/201805article_24.html

(4)2018年5月~2019年12月
https://sicambre.seesaa.net/article/201912article_51.html

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