大河ドラマ『麒麟がくる』第22回「京よりの使者」

 3ヶ月近くの中断を挟んでの放送再開となります。中断前は桶狭間の戦いまで進みましたが、再開後初回となる今回は、桶狭間の戦いから4年後となる1564年(西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)から始まります。明智光秀(十兵衛)は相変わらず家族とともに越前におり、貧しい生活を送っていました。当時、都では三好長慶が実権を握っており、将軍の足利義輝は傀儡となっていました。義輝は改元の申請を怠るなど(こうしたところはよく調べられているな、と思います)すっかり無気力になっており、細川藤孝は光秀を越前に訪ね、上洛して義輝の真意を探ってほしい、と光秀に依頼します。光秀は今後の自分の道を切り開くためにも、都に行くことを決断します。

 薬をめぐって望月東庵と言い争いになって診療所を出た駒は、伊呂波太夫・関白の近衛前久とともに大和を訪れ、近衛前久は大和の松永久秀を訪ね、久秀の息子の久通が義輝殺害計画に関わっているのではないか、と問い質しますが、久秀は一笑に付します。駒は大和で貧民たちに施しをしている僧侶の覚慶(足利義昭)と出会います。上洛した光秀は、三淵藤英から、義輝が三好長慶を討とうと考えていることを知らされます。義輝は光秀を三好長慶討伐の計画に加えようとしていましたが、冷静に考えて止めた、と伝えます。光秀は義輝に、織田信長を上洛させるよう、提案します。光秀は義輝に、信長を上洛させると約束しますが、改めてその困難を悟ります。その頃、病に伏せていた長慶が没します。

 久々の本放送となりましたが、これまでの人物関係描写が踏まえられており、近衛前久や覚慶という新たな重要人物も登場して楽しめ、今後の展開にも期待させる内容でした。今回は、光秀の娘の玉と藤孝との出会いが描かれ、後に藤孝の息子の忠興と玉が夫婦となる伏線なのでしょう。すでに松平元信(徳川家康)と藤吉郎(羽柴秀吉)から好意を寄せられている駒ですが、足利義昭とも面識ができ、さすがにご都合主義的になりすぎているかな、との感は否めません。もっとも、駒と家康・秀吉・義昭とのつながりが、今後の話に重要な役割を担うかもしれず、そこは大家の作だけに、期待しています。

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