大河ドラマ『麒麟がくる』第12回「十兵衛の嫁」

 今回は、明智光秀(十兵衛)の結婚と織田信秀の死が描かれました。本作では駒と帰蝶という光秀に想いを寄せる女性二人がすでに登場しているので、煕子が霞んでしまうのではないか、と懸念されたのですが、駒と帰蝶が強さと激しさも備えているのに対して、煕子は今のところ、そうした側面をあまり出しておらず、優しさと穏やかさを前面に出した感じで、それが却ってキャラ立ちになっており、存在感の点では問題ないのかな、と思います。土岐頼芸に暗殺されかけた斎藤利政(道三)は激昂し、息子の斎藤高政(義龍)と家臣たちを集め、頼芸との決別を告げます。ところが高政は光秀に、父の利政をともに倒そう、と誘います。

 将軍の足利義輝の仲介により今川と講和した信秀は死期を悟り、居城の末盛城を息子の信勝に譲る、と宣言します。三河に近く重要拠点の末盛城が信勝に与えられることに信長は強い不満を抱きます。信長は今川との講和など自分の功績を認めない父の信秀と、その背後にいる母親への恨み言を帰蝶に打ち明けます。信長はすでに妻の帰蝶を信用しているようです。病床の信秀は自分を訪ねてきた帰蝶に、信長のことを託します。帰蝶は、信秀が信長を認めて愛していると嘘をついてまで信長を励まし、愛情に飢えていた信長は喜びます。ここは、両親からり愛情に飢えているという設定を活かした、なかなか上手い創作だと思います。この設定が、信長の勢力拡大とともにどう活かされるのか、楽しみです。本能寺の変も、この設定と関わるのでしょうか。

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