試験でのパフォーマンス持続性の性差
試験でのパフォーマンス持続性の性差に関する研究(Balart, and Oosterveen., 2019)が公表されました。この研究は、試験における受験者のパフォーマンスと、それが点数の男女差に及ぼす影響を二つの調査を行ないました。一方の調査では、15歳児の数学・科学・言語読解力のパフォーマンスを評価するために3年ごとに実施される、国際標準化試験「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」のデータが使用されました。2006・2009・2012・2015年に74ヶ国で実施された試験のデータが用いられ、読解力の試験では女子の成績が男子を上回り、数学と科学の試験では男子の成績が女子を上回っていた、と明らかになりました。これは、先行研究によって得られた知見を裏づけています。一方、試験の科目に関わらず、試験でのパフォーマンスの持続性は、女子が男子よりも高い、と明らかになりました。調査対象国の20%以上で、2時間の試験を実施した場合に、数学と科学の試験の点数における男女差が解消されたか、逆転していました。
もう一方の調査では、さまざまな設問数の数学の試験(441例)における男女の成績のデータセットが用いられました。この調査では、設問数が多くなると試験の点数の男女差が縮まる、という関連性が認められました。STEM(科学・技術・工学・数学)の標準化された尺度は将来の教育とキャリアの選択や機会に影響する可能性があり、これらの知見は、試験でのパフォーマンスの持続性と設問数の多さが、STEM分野で働く女性が比較的少ないことを理解するさいのファクターである、と示唆しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【教育】女性は男性より試験でのパフォーマンスが持続する
読解力、数学、科学の試験において、女性は男性よりもパフォーマンスを持続させることができるという研究結果を報告する論文が掲載される。数学の試験では、長い試験(設問数の多い試験)の方が点数の男女差が小さくなるという関連性も認められた。
今回、Pau BalartとMatthijs Oosterveenは、試験における受験者のパフォーマンスとそれが点数の男女差に及ぼす影響を調査するために2つの研究を行った。第1の研究では、15歳児の数学、科学、言語読解力のパフォーマンスを評価するために3年ごとに実施される国際標準化試験である「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」のデータが使用された。2006、2009、2012、2015年に74か国で実施された試験のデータが用いられ、読解力の試験では女子の成績が男子を上回り、数学と科学の試験では男子の成績が女子を上回っていたことが判明した。これは、先行研究によって得られた知見を裏付けている。一方、試験の科目にかかわらず、試験でのパフォーマンスの持続性は、女子が男子よりも高かった。調査対象国の20%以上で、2時間の試験を実施した場合に、数学と科学の試験の点数における男女差が解消されたか、逆転していた。第2の研究では、さまざまな設問数の数学の試験(441例)における男女の成績のデータセットが用いられた。この研究では、設問数が多くなると試験の点数の男女差が縮まるという関連性が認められた。
STEM(科学、技術、工学、数学)の標準化された尺度が将来の教育とキャリアの選択や機会に影響する可能性があることを考慮すると、今回の研究で得られた知見は、試験でのパフォーマンスの持続性と設問数の多さが、STEM分野で働く女性が比較的少ないことを理解する際のファクターであることを示唆している。
参考文献:
Balart P, and Oosterveen M.(2019): Females show more sustained performance during test-taking than males. Nature Communications, 10, 3798.
https://doi.org/10.1038/s41467-019-11691-y
もう一方の調査では、さまざまな設問数の数学の試験(441例)における男女の成績のデータセットが用いられました。この調査では、設問数が多くなると試験の点数の男女差が縮まる、という関連性が認められました。STEM(科学・技術・工学・数学)の標準化された尺度は将来の教育とキャリアの選択や機会に影響する可能性があり、これらの知見は、試験でのパフォーマンスの持続性と設問数の多さが、STEM分野で働く女性が比較的少ないことを理解するさいのファクターである、と示唆しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【教育】女性は男性より試験でのパフォーマンスが持続する
読解力、数学、科学の試験において、女性は男性よりもパフォーマンスを持続させることができるという研究結果を報告する論文が掲載される。数学の試験では、長い試験(設問数の多い試験)の方が点数の男女差が小さくなるという関連性も認められた。
今回、Pau BalartとMatthijs Oosterveenは、試験における受験者のパフォーマンスとそれが点数の男女差に及ぼす影響を調査するために2つの研究を行った。第1の研究では、15歳児の数学、科学、言語読解力のパフォーマンスを評価するために3年ごとに実施される国際標準化試験である「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」のデータが使用された。2006、2009、2012、2015年に74か国で実施された試験のデータが用いられ、読解力の試験では女子の成績が男子を上回り、数学と科学の試験では男子の成績が女子を上回っていたことが判明した。これは、先行研究によって得られた知見を裏付けている。一方、試験の科目にかかわらず、試験でのパフォーマンスの持続性は、女子が男子よりも高かった。調査対象国の20%以上で、2時間の試験を実施した場合に、数学と科学の試験の点数における男女差が解消されたか、逆転していた。第2の研究では、さまざまな設問数の数学の試験(441例)における男女の成績のデータセットが用いられた。この研究では、設問数が多くなると試験の点数の男女差が縮まるという関連性が認められた。
STEM(科学、技術、工学、数学)の標準化された尺度が将来の教育とキャリアの選択や機会に影響する可能性があることを考慮すると、今回の研究で得られた知見は、試験でのパフォーマンスの持続性と設問数の多さが、STEM分野で働く女性が比較的少ないことを理解する際のファクターであることを示唆している。
参考文献:
Balart P, and Oosterveen M.(2019): Females show more sustained performance during test-taking than males. Nature Communications, 10, 3798.
https://doi.org/10.1038/s41467-019-11691-y
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