大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第30回「黄金狂時代」

 1932年7月30日、ロサンゼルスで夏季オリンピック大会が始まりました。日本水泳選手団の総監督の田畑政治は水泳競技での全種目制覇を強く訴えます。まず男子100m自由競争で宮崎が優勝し、意気軒昂な田畑ですが、1940年の夏季オリンピック大会の東京への招致は見通しが厳しい、と嘉納治五郎から告げられます。日本は欧米から遠いことと、満洲事変以降、国際社会での日本への視線が厳しいこともありました。田畑は嘉納から、ドイツで差別主義的なヒトラーが台頭していることなど、国際情勢の不穏と平和への強い想いを聞かされます。

 今回は古今亭志ん生(美濃部孝蔵)の場面が1932年と1960年代の両方でともにやや長く、本編との関連もあったとはいえ、相変わらず上手く接続できていない感は否めません。ずっとここが本作の弱点となっており、視聴率低迷の要因になっているのでしょうが、いつになったら解消されるのでしょうか。男子800mリレーをめぐって、田畑が情に流されそうになったところを松澤監督が諫めた場面は、前回とは役割が逆になっており、なかなか上手く構成されているな、と思います。視聴率低迷のため酷評されている本作ですが、私は相変わらず面白いと思っており、次回もたいへん楽しみです。

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