朝日新聞のベネズエラ情勢報道

 昨日(2019年6月3日)付の朝日新聞朝刊には、ベネズエラ情勢に関する特集的な記事が掲載されていました。チャベス政権の電力相への取材記事も掲載されていて、なかなか読みごたえがありました。ざっと読んで改めて思ったのは、現在のベネズエラの惨状はチャベス政権およびその後継としての現在のマドゥロ政権に責任があるものの、それはベネズエラ社会に根深い腐敗体質によるものなので、マドゥロ政権が崩壊して、チャベス路線に否定的な勢力が政権を担ったとしても、ベネズエラが復興するのは容易ではない、ということです。

 チャベス政権が国営石油会社を私物化していき、優秀な技術者が国外へと逃げ出していったことも、現在の惨状の一因になっている、と指摘されていました。しかし、だからといって、チャベス政権よりも前の政権が清廉だったわけでもなく、それまでの政権の腐敗へのベネズエラ国民の不満が、チャベス政権を誕生させたのだと思います。元電力相への取材記事はなかなか興味深く、マドゥロ政権が外国人の目に触れやすい首都の安定を優先し、地方を犠牲にしている、と元電力相は批判しています。

 また元電力相は、今年起きた大規模停電の原因として、アメリカ合衆国の陰謀ではなく、人材不足などに起因する不備を指摘しています。元電力相は今でもチャベス路線を基本的には支持していますが、政権運営があまりにも恣意的で腐敗していったことを批判しています。元電力相はチャベス政権とマドゥロ政権が軍部を優遇していることも批判していますが、それが、これだけの惨状を招来したマドゥロ政権の延命に大きく貢献していることは否定できないでしょう。もっとも、それは多くのベネズエラ国民にとってたいへん不幸であることも間違いないと思います。なお、当ブログにおける最近のベネズエラ情勢に関する記事は以下の通りです。

独裁者マドゥロを擁護する「21世紀の社会主義」の無責任
https://sicambre.seesaa.net/article/201902article_43.html

ベネズエラの現状に関する言説補足
https://sicambre.seesaa.net/article/201902article_48.html

ベネズエラ情勢におけるグアイド氏の役割と評価
https://sicambre.seesaa.net/article/201903article_2.html

チャビスタ劣化コピー、ベネズエラ人に自説を批判されるとレイシズム丸出し
https://sicambre.seesaa.net/article/201903article_19.html

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