自然と健康・幸福感の関係
自然と健康・幸福感の関係についての研究(White et al., 2019)が公表されました。この研究は、イギリスの成人19806人を対象として、過去1週間に自宅の庭を除く野原や森林などの自然環境で過ごした時間と、自己申告に基づいた健康と幸福感について調査しました。この調査によると、自然の中で120分以上過ごしたと申告した人は、「健康状態が良い」または「幸福感が強い」と申告する傾向が強く見られました。この研究は、こうした関連が近隣の利用可能な緑地の規模とは無関係なことを明らかにしました。さらに、この関連は全ての年齢層の参加者(長期的な健康問題を抱えている人を含む)に見られ、この知見が、単に健康状態の良好な人々の方が自然環境を訪れる頻度が高いことによるものではない、という可能性が示唆されました。
またこの研究は、一度に自然の中で120分を過ごした場合と短時間の自然環境への訪問を1週間に数回行った場合では差が生じなかった、と報告しています。自然の中で過ごした時間が週120分未満である場合は、幸福感の向上との関連が認められませんでしたが、自然環境で200~300分を過ごしても、さらなる効果は得られませんでした。この研究は、こうした知見は予備的なものではあるものの、健康と幸福感の有意な向上をもたらす可能性のある自然環境と触れ合う時間に関して、証拠に基づいたシンプルな勧告を示して議論するうえで、重要な出発点になると結論づけています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【健康】自然の中で過ごすことが健康と幸福感の向上につながる
週120分以上を自然環境で過ごすことが、健康と幸福感に関連することを明らかにした研究論文が、今週掲載される。
今回、Mathew Whiteたちの研究グループは、イギリスの成人1万9806人を対象として、過去1週間に野原や森林などの自然環境(自宅の庭を除く)で過ごした時間と、自己申告に基づいた健康と幸福感について調査した。この調査によると、自然の中で120分以上過ごしたと申告した人は、「健康状態が良い」または「幸福感が強い」と申告する傾向が強かった。
Whiteたちは、この関連が近隣の利用可能な緑地の規模とは無関係なことを見いだした。また、この関連は全ての年齢層の参加者(長期的な健康問題を抱えている人を含む)に見られ、この知見が、単に健康状態の良好な人々の方が自然環境を訪れる頻度が高いことによるものではない可能性が示唆された。またWhiteたちは、一度に自然の中で120分を過ごした場合と短時間の自然環境への訪問を1週間に数回行った場合では、差が生じなかったと報告している。自然の中で過ごした時間が週120分未満である場合は、幸福感の向上との関連が認められなかったが、自然環境で200~300分を過ごしても、さらなる効果は得られなかった。
Whiteたちは、今回の知見は予備的なものではあるが、健康と幸福感の有意な向上をもたらす可能性のある自然環境と触れ合う時間に関して証拠に基づいたシンプルな勧告を示すことを議論する上で、重要な出発点になると結論付けている。
参考文献:
White MP et al.(2019): Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing. Scientific Reports, 9, 7730.
https://doi.org/10.1038/s41598-019-44097-3
またこの研究は、一度に自然の中で120分を過ごした場合と短時間の自然環境への訪問を1週間に数回行った場合では差が生じなかった、と報告しています。自然の中で過ごした時間が週120分未満である場合は、幸福感の向上との関連が認められませんでしたが、自然環境で200~300分を過ごしても、さらなる効果は得られませんでした。この研究は、こうした知見は予備的なものではあるものの、健康と幸福感の有意な向上をもたらす可能性のある自然環境と触れ合う時間に関して、証拠に基づいたシンプルな勧告を示して議論するうえで、重要な出発点になると結論づけています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【健康】自然の中で過ごすことが健康と幸福感の向上につながる
週120分以上を自然環境で過ごすことが、健康と幸福感に関連することを明らかにした研究論文が、今週掲載される。
今回、Mathew Whiteたちの研究グループは、イギリスの成人1万9806人を対象として、過去1週間に野原や森林などの自然環境(自宅の庭を除く)で過ごした時間と、自己申告に基づいた健康と幸福感について調査した。この調査によると、自然の中で120分以上過ごしたと申告した人は、「健康状態が良い」または「幸福感が強い」と申告する傾向が強かった。
Whiteたちは、この関連が近隣の利用可能な緑地の規模とは無関係なことを見いだした。また、この関連は全ての年齢層の参加者(長期的な健康問題を抱えている人を含む)に見られ、この知見が、単に健康状態の良好な人々の方が自然環境を訪れる頻度が高いことによるものではない可能性が示唆された。またWhiteたちは、一度に自然の中で120分を過ごした場合と短時間の自然環境への訪問を1週間に数回行った場合では、差が生じなかったと報告している。自然の中で過ごした時間が週120分未満である場合は、幸福感の向上との関連が認められなかったが、自然環境で200~300分を過ごしても、さらなる効果は得られなかった。
Whiteたちは、今回の知見は予備的なものではあるが、健康と幸福感の有意な向上をもたらす可能性のある自然環境と触れ合う時間に関して証拠に基づいたシンプルな勧告を示すことを議論する上で、重要な出発点になると結論付けている。
参考文献:
White MP et al.(2019): Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing. Scientific Reports, 9, 7730.
https://doi.org/10.1038/s41598-019-44097-3
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