大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第21回「櫻の園」

 金栗(池部)四三は1920年開催のアントワープ夏季オリンピック大会のマラソンで金メダルを期待されながら16位に終わったことから、失意のあまりすぐに帰国せず、ヨーロッパ諸国を訪れていました。ベルリンを訪れていた四三は、槍投げの練習に励んでいる女性たちと遭遇します。目標を見失いかけていた四三は、第一次世界大戦で敗れたため、アントワープ夏季オリンピック大会に出場できなかったドイツの女性たちの諦めない様子を見て、女子スポーツ教育への道を志します。四三の妻のスヤは、夫が熊本に帰ると期待していましたが、四三は嘉納治五郎に相談し、女子スポーツ教育のため東京府立第二高等女学校の教師となり、で東京に留まる、と決意していました。スヤは熊本に帰ろうとしますが、四三はスヤを引き留めます。四三は東京府立第二高等女学校でスポーツ教育を進めようとしますが、お嬢様の学生がそろっており、スポーツ教育に熱心な四三への態度は冷やかで、四三は思うように女子スポーツ教育を進められません。しかし、四三が女子学生に頼み込んで槍投げをやったことから、女子学生の間でもスポーツへの関心が高まります。

 今回は、雪辱を期したアントワープ夏季オリンピック大会で惨敗し、目標を見失ってしまった四三が女子スポーツ教育という新たな目標を見つけ、気力を取り戻すところが描かれました。四三が女学校で当初は学生に受け入れられなかったのはいかにもといった感じでしたが、そこから学生がスポーツに夢中になっていく過程は、やや駆け足だったかな、と思います。アントワープ大会では日本の水泳選手団も惨敗し、その衝撃が描かれました。さほど長い場面ではなく、現時点での本筋とも言うべき四三の話とはまだ上手く接続していませんが、後半の主人公である田畑政治が深く関わってくるので、必要な描写だったと思います。一方、やや長く描かれた古今亭志ん生と(美濃部孝蔵)の話の方は、相変わらず本筋と上手く接続できていないと思います。ただ、古今亭志ん生と田畑政治の関係はすでに描かれているので、後半は本筋とより深く関わるのかな、と期待しています。

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