イヌは癲癇発作のにおいを嗅ぎ分けられるかもしれない(追記有)

 イヌが癲癇発作のにおいを嗅ぎ分けられる可能性に関する研究(Catala et al., 2019)が公表されました。これまでの研究から、乳癌や肺癌などの疾患は、体のにおいの特異的変化と関連している、と明らかになっています。これに対して癲癇発作は、患者特異的でひじょうに多様であるため、においプロファイルに反映されている可能性の有無が検証されてきませんでした。

 この研究は、癲癇患者が発作を起こしている時、起こしていない時、および身体運動後にそれぞれ、複合的なにおい(息のにおいと体のにおい)を採取し、これらを特別な訓練を受けたイヌ(雌3匹と雄2匹)に嗅がせました。それぞれのにおいサンプルの入った計7個の缶が配置され、そのうち1個だけが発作を起こした時の患者のにおいがする缶でした。この試験は、それぞれのイヌについて9回ずつ行なわれました。イヌが癲癇発作時のにおいを感知する能力(感受性)は67~100%でしたが、それ以外のにおいを正しく判定する能力(特異性)は95~100%でした。

 この結果は、癲癇発作と患者の体臭が多様であるにもかかわらず、癲癇発作が特異なにおいプロファイルと関連していることを示唆しています。将来的には、これらの特徴を用いて発作を予測し、患者がより安全な環境を探せるかもしれません。ただ、発作のにおいの化学的特性を突き止め、そのにおいが発作の前から存在しているかを明らかにするには、さらなる研究が必要と指摘されています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


【神経科学】イヌはてんかん発作のにおいを嗅ぎ分けられる?

 イヌがヒトのてんかん発作に関連する特異なにおいを感知できる可能性を明らかにした小規模研究について報告する論文が、今週掲載される。この予備的な結果から、てんかん発作のにおいの特徴を用いた発作の予測が将来的に実現する可能性が示唆される。

 これまでの研究から、乳がんや肺がんなどの疾患は、体のにおいの特異的変化と関連していることが明らかになっている。これに対して、てんかん発作は、患者特異的で非常に多様であるため、においプロファイルに反映されている可能性の有無が検証されてこなかった。

 今回、Amelie Catalaたちの研究グループは、てんかん患者が発作を起こしている時、起こしていない時、および身体運動後にそれぞれ、複合的なにおい(息のにおいと体のにおい)を採取し、これらを特別な訓練を受けたイヌ(雌3匹と雄2匹)に嗅がせた。それぞれのにおいサンプルの入った計7個の缶が配置され、そのうち1個だけが発作を起こした時の患者のにおいがする缶だった。この試験は、それぞれのイヌについて9回ずつ行われた。イヌがてんかん発作時のにおいを感知する能力(感受性)は67~100%だったが、それ以外のにおいを正しく判定する能力(特異性)は95~100%だった。

 今回の結果は、てんかん発作と患者の体臭が多様であるにもかかわらず、てんかん発作が特異なにおいプロファイルと関連していることを示唆している。将来的には、これらの特徴を用いて発作を予測し、患者がより安全な環境を探せるかもしれない。ただし、発作のにおいの化学的特性を突き止め、そのにおいが発作の前から存在しているかを明らかにするには、さらなる研究が必要だ。



参考文献:
Catala A et al.(2019): Dogs demonstrate the existence of an epileptic seizure odour in humans. Scientific Reports, 9, 4103.
https://doi.org/10.1038/s41598-019-40721-4


追記(2019年4月2日)
 ナショナルジオグラフィックでも報道されました。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック