1990年代以降に増加した北大西洋のプラスチック
北大西洋における1990年代以降のプラスチックの増加に関する研究(Ostle et al., 2019)が公表されました。プラスチックの生産量は1950年代以降に飛躍的に増加しましたが、世界の海洋でのプラスチック分布の記録はひじょうに少ないと指摘されています。連続プランクトン採集器(CPR)は、プランクトン試料を採集する機器で、1957年以降、北大西洋と隣接海域で650万海里以上を曳航されました。この研究は、CPRにプラスチックが絡み付いた時期を示す記録を用いて、1957~2016年における北大西洋での海洋プラスチックの量の推移を調査し、得られたデータセットを基に、外洋のプラスチックが1990年代以降増加傾向に転じたという予想の正しさを確認した。CPRにプラスチックが絡み付く事例の発生件数は、2000年以降は約10倍に増加していました。また、過去20年間の増加に最も大きく影響したのが漁業関連のプラスチック(魚網など)の絡み付きで、CPRにプラスチックが絡み付く事例は、北海の南部海域で最も多いことも明らかになりました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【環境】北大西洋のプラスチックが1990年代以降に増えたことが確認された
北大西洋とその隣接海域に存在するプラスチックの量が、1990年代以降に著しく増加したことを報告する論文が、今週掲載される。今回の研究では、海洋試料採集器に絡まったプラスチックの記録を用いて、1957~2016年の海洋プラスチックの発生に関するデータが生成され、これによって海洋に存在するプラスチックに関する最も古い記録が新たに加わった。
プラスチックの生産量は、1950年代以降に飛躍的に増加したが、世界の海洋でのプラスチックの分布の記録は非常に少ない。
連続プランクトン採集器(CPR)は、プランクトン試料を採集する機器であり、1957年以降、北大西洋と隣接海域で650万海里以上を曳航された。今回、Clare Ostleたちの研究グループは、CPRにプラスチックが絡み付いた時期を示す記録を用いて、1957~2016年における北大西洋での海洋プラスチックの量の推移を論文にまとめた。そして、得られたデータセットを基に、外洋のプラスチックが1990年代以降増加傾向に転じたという予想が正しかったことを確認した。CPRにプラスチックが絡み付く事例の発生件数が、2000年以降は約10倍に増加していた。また、過去20年間の増加に最も大きく影響したのが漁業関連のプラスチック(魚網など)の絡み付きで、CPRにプラスチックが絡み付く事例は、北海の南部海域で最も多かった。
参考文献:
Ostle C. et al.(2019): The rise in ocean plastics evidenced from a 60-year time series. Nature Communications, 10, 1622.
https://doi.org/10.1038/s41467-019-09506-1
【環境】北大西洋のプラスチックが1990年代以降に増えたことが確認された
北大西洋とその隣接海域に存在するプラスチックの量が、1990年代以降に著しく増加したことを報告する論文が、今週掲載される。今回の研究では、海洋試料採集器に絡まったプラスチックの記録を用いて、1957~2016年の海洋プラスチックの発生に関するデータが生成され、これによって海洋に存在するプラスチックに関する最も古い記録が新たに加わった。
プラスチックの生産量は、1950年代以降に飛躍的に増加したが、世界の海洋でのプラスチックの分布の記録は非常に少ない。
連続プランクトン採集器(CPR)は、プランクトン試料を採集する機器であり、1957年以降、北大西洋と隣接海域で650万海里以上を曳航された。今回、Clare Ostleたちの研究グループは、CPRにプラスチックが絡み付いた時期を示す記録を用いて、1957~2016年における北大西洋での海洋プラスチックの量の推移を論文にまとめた。そして、得られたデータセットを基に、外洋のプラスチックが1990年代以降増加傾向に転じたという予想が正しかったことを確認した。CPRにプラスチックが絡み付く事例の発生件数が、2000年以降は約10倍に増加していた。また、過去20年間の増加に最も大きく影響したのが漁業関連のプラスチック(魚網など)の絡み付きで、CPRにプラスチックが絡み付く事例は、北海の南部海域で最も多かった。
参考文献:
Ostle C. et al.(2019): The rise in ocean plastics evidenced from a 60-year time series. Nature Communications, 10, 1622.
https://doi.org/10.1038/s41467-019-09506-1
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