大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第9回「さらばシベリア鉄道」

 今回はシベリア鉄道での旅が描かれました。ロケを多用した美しい画質は見ごたえがあり、喜劇調ドラマとしても楽しめました。今回のような紀行もの的な話を大河ドラマでやるな、と声の大きな大河ドラマ愛好者が批判しそうですが、私は楽しめました。今回は1912年と1961年の古今亭志ん生(美濃部孝蔵)の場面がやや長かったので、視聴率はますます低迷しそうです。現時点では、古今亭志ん生とオリンピックというか本筋との関係が、示唆されてはいるものの、はっきりとは見えていないことも、古今亭志ん生の場面の不評の一因であるように思います。ただ、今後、このつながりが見えてきて、楽しめるのではないか、と期待しています。まあ、長期ドラマの視聴率の観点からは失敗と言えそうですが。大森兵蔵の話もそうですが、話が収束する時間の長さ(大森に関してはそこまで長くないと思いますが)が、本作の視聴率低迷の一因でしょうか。

 シベリア鉄道での道中では、歴史を感じさせる話・演出も見られました。伊藤博文も回想場面で登場し、そういえば浜野謙太氏は他の作品でも伊藤博文を演じていたような気がするな、と思って調べたら、昨年の大河ドラマ『西郷どん』でした。『西郷どん』の印象がそれだけ薄くなっていたこともありますし、『西郷どん』の伊藤博文はさほど重要な役回りではなかったこともあるのでしょう。まあ、加齢による私の記憶力低下もあるでしょうが。今回は本放送を見られず、録画視聴となったのですが、最初は画質が悪くなったことに驚きました。少し経って、4K放送ではなく、念のために録画しておいたBSプレミアムの録画を視聴していたことに気づいたのですが、BSプレミアムとHDR対応の4Kとでは、画質にかなりの違いがある、ということなのでしょう。視聴率低迷が面白おかしく騒がれている本作ですが、私はひじょうに楽しんでおり、外野の声に惑わされずにこの作風を維持してもらいたいものです。

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