『卑弥呼』第1集発売

 待望の第1集が発売されました。第1集には、

口伝1「日向の女」
https://sicambre.seesaa.net/article/201809article_7.html

口伝2「ヤノハとモモソ」
https://sicambre.seesaa.net/article/201809article_30.html

口伝3「縁」
https://sicambre.seesaa.net/article/201810article_7.html

口伝4「盟神探湯」
https://sicambre.seesaa.net/article/201810article_37.html

口伝5「憑依」
https://sicambre.seesaa.net/article/201811article_9.html

口伝6「トンカラリン」
https://sicambre.seesaa.net/article/201811article_36.html

が収録されています。連載時には「第*話」となっていましたが、単行本では「口伝*」となっています。また、第3話の表題は、連載時には「断ち切れぬ欲望」となっていましたが、単行本では「縁(えにし)」となっています。単行本では「真説・邪馬台国伝」との副題がつけられています。巻末には、『天智と天武~新説・日本書紀~』の原案・監修である園村昌弘氏による、いわゆる「魏志倭人伝」の解説が掲載されています。

 それぞれの話については、上記の記事にて述べているので、ここでは繰り返しません。本作は207年(西暦は厳密な換算ではなく、1年単位での換算です)頃の九州を舞台としています。これまでに明かされている世界観から推測すると、本作の邪馬台国は宮崎県(旧国名の日向)に設定されているようです。しかし、神武東征説話も取り入れられていることから、やがては畿内というか纏向遺跡が舞台になるかもしれません。

 現時点ではほぼ九州の諸国・人物しか登場していませんが、今後は本州・四国、さらには朝鮮半島と後漢や魏も舞台になりそうで、司馬懿など『三国志』の有名人物の登場も予想されますから、ひじょうに雄大な規模の物語になるのではないか、と期待されます。現在の主要舞台である暈の国は、『三国志』の狗奴国で、後の熊襲でしょうから、日見彦たるタケル王は『三国志』の卑弥弓呼なのでしょう。そうだとすると、ヤノハが日見子(卑弥呼)と広く認められた後も、タケル王と鞠智彦(狗古智卑狗)は日見子たるヤノハと対立し、物語に深く関わってきそうです。現時点でもたいへん楽しめていますが、今後さらに面白くなりそうな要素が多いだけに、何とか長期連載になってほしいものです。

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