ヒストンのセロトニン化

 ヒストンのセロトニン化に関する研究(Farrelly et al., 2019)が公表されました。神経伝達物質セロトニンのようなモノアミン類は、トランスグルタミナーゼ2(TGM2)によるアミド基転移によって特定のタンパク質と共有結合を形成する、と明らかになっていまする。この研究は、TGM2がヒストンH3のGln5のセロトニン化を触媒できることと、そのマークはH3K4me3という活性化ヒストンマークが存在するときに生じることを明らかにしています。この二重のマークH3K4me3Q5serは脳と腸(大量のセロトニンが産生されている臓器)に多く存在し、活発な遺伝子発現と相関しています。これらの知見は、セロトニンがこれまで知られていた神経伝達や細胞のシグナル伝達での役割に加えて、遺伝子発現の仲介にも役割を果たしていることを示しています。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


エピジェネティクス:ヒストンのセロトニン化は、TFIIDのH3K4me3への結合を促進する許容修飾である

エピジェネティクス:ヒストンのセロトニン化

 神経伝達物質セロトニンのようなモノアミン類は、トランスグルタミナーゼ2(TGM2)によるアミド基転移によって特定のタンパク質と共有結合を形成することが明らかになっている。今回I Mazeたちは、TGM2がヒストンH3のGln5のセロトニン化を触媒できること、そしてこのマークはH3K4me3という活性化ヒストンマークが存在するときに生じることを明らかにしている。この二重のマークH3K4me3Q5serは脳と腸(大量のセロトニンが産生されている臓器)に多く存在し、活発な遺伝子発現と相関している。これらの知見は、セロトニンがこれまで知られていた神経伝達や細胞のシグナル伝達での役割に加えて、遺伝子発現の仲介にも役割を果たしていることを示している。



参考文献:
Farrelly LA. et al.(2019): Histone serotonylation is a permissive modification that enhances TFIID binding to H3K4me3. Nature, 567, 7749, 535–539.
https://doi.org/10.1038/s41586-019-1024-7

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