大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第8回「敵は幾万」

 金栗四三を兄の実次が東京に訪ねてきます。実次は四三のオリンピック参加費用1800円を用意してきたのでした。田を売ったのではないか、と懸念する四三ですが、田を売ることで春野スヤの婚約相手の地主から1800円を借り、しかもその田を無償で耕してもよいことになりました。スヤは婚約相手の母親から信頼されていました。ところが、全国の学生数千人からも1500円の寄付金が集まっており、四三には多く人々の期待が寄せられていました。はるか遠くの言葉も通じない異国に行くことへの不安を四三は吐露しますが、そんな四三を実次は叱咤します。実次は器の大きい好人物といった感じで、本作の主要人物は強い個性で印象を残すことに成功しており、人物造形にはおおむね成功しているのではないか、と思います。

 今回は、美濃部孝蔵(古今亭志ん生)と馴染みの遊女が阿蘇出身と明かされ、主人公と古今亭志ん生との縁も少しずつ見えてきました。こうしてじりじりと物語の背景が見えてくるところも、視聴率低迷の一因になっているのかもしれませんが、オリンピックの弊害にも触れつつ喜劇調でもあり、三島家の話のように予定調和的でありながら盛り上げてくる場面もありますし、ロケを多用した4K放送ということで画質面でもわりと満足しているので、私はなかなか楽しんでいます。

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