ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』31話~34話
31話「お母さんと呼んで」6
マカロニは街で偶然、背後を気にしながら歩く若い女性を見かけ、気になって後を追いますが、その女性を見失います。ところが、その若い女性がボスを訪ねてきます。女性はボスと知り合いでした。女性は、義理の娘が誘拐されたとボスに相談します。本作ではたびたび、「甘ったれ」の若者が描かれますが、初期にはとくに多いように思います。今回も「甘ったれ」の若者が起こした狂言誘拐で、直接の血のつながりのない母親と娘との不和が背景となっています。話は全体として悪くなかったのですが、人物像が描かれていたとはいえ、娘の登場が終盤のみだったのはやや残念でした。誘拐された娘を演じたのは青木英美氏で、後に一係初代の事務員となります。犯人役として出演して後にレギュラーになったという点では、トシさんと同じですが、トシさんの場合は10年ほど間隔が空いていたのにたいして、久美ちゃんは半年も経過していませんでしたから、違和感を覚えた視聴者もいたかもしれません。
32話「ボスを殺しに来た女」9
ボスは訪ねてきた若い女性に命を狙われますが、その女性の真の標的はボスの前任の係長だった石田でした。女性は逃亡しようとして重傷を負います。この女性を密かに慕う男性も絡んできて、話はかなり面白くなっています。女性の真の標的である出世第一の冷酷な管理職を演じたのは佐藤慶氏で、さすがに存在感があります。マカロニが石田に反発していくところは、視聴者も共感しやすいでしょうから、上手く話が構成されていると思います。マカロニが自分の感情を抑えて石田を助けるために犯人を射殺するという苦い結末も、大人向けの話として感じ入るところがありました。今回の脚本は鎌田敏夫氏で、これが本作での初脚本となりますが、本作の鎌田氏作品は、さすがに全体的に水準が高いと思います。
33話「刑事の指に小鳥が・・・」9
漫画家の妻が、行き詰ってアル中になり、妻に暴力を振るうようになって、妻は自分に好意を持つ男性とともに夫を殺害します。妻は妊娠しており、夫からは堕胎するよう言われていました。また、夫が死ねばローンを組んでいた家は妻のものとなる手筈でした。妻は、自分の家と子供のために夫を殺そうとしたのでした。妻は夫を殺した直後に、共犯者の男性も殺害します。すでに冒頭で漫画家の男性は殺されており、回想場面で描かれます。漫画家の男性を演じたのは柳生博氏で、情けない役を演じると本当に上手いと思います。ともに漫画家を殺した男性は、かつて漫画家の妻につきまとっていたため殿下が対応しており、殿下は漫画家夫妻と面識がありました。ストーカーという言葉は当時まだ日本では使われていなかったでしょうが、昔から存在していたわけです。殿下は女性に肩入れしており、マカロニが女性を疑っても激昂するくらいでしたが、漫画家の男性の死体が発見され、女性を参考人として迎えに行き、殺されそうになります。初視聴時にこの時の選曲はどうも合わないと思ったのですが、再視聴でもその印象は変わりませんでした。漫画家の妻を演じたのは吉行和子氏で、狂気を秘めた妖しい役によく合っていたと思います。犯人は最初から明かされていましたが、吉行氏の好演もあって、なかなか楽しめました。当時はまだ殿下もマカロニやゴリさんとともに若手組の一人といった感じで、今回は若手刑事の悲恋ものという、本作の定番の一つとも言えそうです。なお、冒頭で殿下の妹が登場しますが、演じたのは後に登場した時とは異なり、中田喜子氏ではありませんでした。
34話「想い出だけが残った」8
犯罪者たちと付き合いがある人物の中に、ボスのかつての恋人がいました。その女性は、今ではボスの同窓生の妻になっていました。その同窓生は、ボスに妻のことを相談しようとしますが、殺人事件で呼び出しのかかったボスは話を途中で切り上げます。ボスのかつての恋人は宝石密輸に関わっており、次に命を狙われる立場だと判明します。ボスはかつての恋人を救おうとしますが、かつての恋人は自殺を選択し、ボスの腕の中で亡くなります。今回はボスの過去が描かれ、厳しさと孤高というボスのキャラをはっきりとさせたという意味で、重要だったと思います。刑事に妻子は不要と考えたボスは、結婚も考えていた恋人との別れを選択しました。しかも、今回ボスは目の前で元恋人を死なせてしまったわけで、この後ボスが独身を貫いたことも納得する話になっていました。何とも悲しい結末でしたが、ボスがゴリさんをはじめとして部下の結婚に熱心だったことも、今回の話により説得的になったと言えそうです。
マカロニは街で偶然、背後を気にしながら歩く若い女性を見かけ、気になって後を追いますが、その女性を見失います。ところが、その若い女性がボスを訪ねてきます。女性はボスと知り合いでした。女性は、義理の娘が誘拐されたとボスに相談します。本作ではたびたび、「甘ったれ」の若者が描かれますが、初期にはとくに多いように思います。今回も「甘ったれ」の若者が起こした狂言誘拐で、直接の血のつながりのない母親と娘との不和が背景となっています。話は全体として悪くなかったのですが、人物像が描かれていたとはいえ、娘の登場が終盤のみだったのはやや残念でした。誘拐された娘を演じたのは青木英美氏で、後に一係初代の事務員となります。犯人役として出演して後にレギュラーになったという点では、トシさんと同じですが、トシさんの場合は10年ほど間隔が空いていたのにたいして、久美ちゃんは半年も経過していませんでしたから、違和感を覚えた視聴者もいたかもしれません。
32話「ボスを殺しに来た女」9
ボスは訪ねてきた若い女性に命を狙われますが、その女性の真の標的はボスの前任の係長だった石田でした。女性は逃亡しようとして重傷を負います。この女性を密かに慕う男性も絡んできて、話はかなり面白くなっています。女性の真の標的である出世第一の冷酷な管理職を演じたのは佐藤慶氏で、さすがに存在感があります。マカロニが石田に反発していくところは、視聴者も共感しやすいでしょうから、上手く話が構成されていると思います。マカロニが自分の感情を抑えて石田を助けるために犯人を射殺するという苦い結末も、大人向けの話として感じ入るところがありました。今回の脚本は鎌田敏夫氏で、これが本作での初脚本となりますが、本作の鎌田氏作品は、さすがに全体的に水準が高いと思います。
33話「刑事の指に小鳥が・・・」9
漫画家の妻が、行き詰ってアル中になり、妻に暴力を振るうようになって、妻は自分に好意を持つ男性とともに夫を殺害します。妻は妊娠しており、夫からは堕胎するよう言われていました。また、夫が死ねばローンを組んでいた家は妻のものとなる手筈でした。妻は、自分の家と子供のために夫を殺そうとしたのでした。妻は夫を殺した直後に、共犯者の男性も殺害します。すでに冒頭で漫画家の男性は殺されており、回想場面で描かれます。漫画家の男性を演じたのは柳生博氏で、情けない役を演じると本当に上手いと思います。ともに漫画家を殺した男性は、かつて漫画家の妻につきまとっていたため殿下が対応しており、殿下は漫画家夫妻と面識がありました。ストーカーという言葉は当時まだ日本では使われていなかったでしょうが、昔から存在していたわけです。殿下は女性に肩入れしており、マカロニが女性を疑っても激昂するくらいでしたが、漫画家の男性の死体が発見され、女性を参考人として迎えに行き、殺されそうになります。初視聴時にこの時の選曲はどうも合わないと思ったのですが、再視聴でもその印象は変わりませんでした。漫画家の妻を演じたのは吉行和子氏で、狂気を秘めた妖しい役によく合っていたと思います。犯人は最初から明かされていましたが、吉行氏の好演もあって、なかなか楽しめました。当時はまだ殿下もマカロニやゴリさんとともに若手組の一人といった感じで、今回は若手刑事の悲恋ものという、本作の定番の一つとも言えそうです。なお、冒頭で殿下の妹が登場しますが、演じたのは後に登場した時とは異なり、中田喜子氏ではありませんでした。
34話「想い出だけが残った」8
犯罪者たちと付き合いがある人物の中に、ボスのかつての恋人がいました。その女性は、今ではボスの同窓生の妻になっていました。その同窓生は、ボスに妻のことを相談しようとしますが、殺人事件で呼び出しのかかったボスは話を途中で切り上げます。ボスのかつての恋人は宝石密輸に関わっており、次に命を狙われる立場だと判明します。ボスはかつての恋人を救おうとしますが、かつての恋人は自殺を選択し、ボスの腕の中で亡くなります。今回はボスの過去が描かれ、厳しさと孤高というボスのキャラをはっきりとさせたという意味で、重要だったと思います。刑事に妻子は不要と考えたボスは、結婚も考えていた恋人との別れを選択しました。しかも、今回ボスは目の前で元恋人を死なせてしまったわけで、この後ボスが独身を貫いたことも納得する話になっていました。何とも悲しい結末でしたが、ボスがゴリさんをはじめとして部下の結婚に熱心だったことも、今回の話により説得的になったと言えそうです。
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