大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第6回「お江戸日本橋」

 ストックホルムで1912年に開催されるオリンピック大会の国内マラソン予選大会に優勝した金栗四三は、予選大会で使用した足袋を作ってもらった播磨屋の主人と喧嘩してしまい、謝罪に行くと、播磨屋は改良した足袋を四三に渡します。短気でもからっとした性格という、陳腐ではあるものの、それ故に安定的な江戸っ子職人の人物像となっています。こうしたところは、娯楽ドラマとして手堅いな、と思います。

 予算が足りないなか、嘉納治五郎は何とか予算を捻出して四三をストックホルム大会に派遣しようとしますが、四三はオリンピックに出たくない、と言います。嘉納は激昂しますが、四三はそもそもオリンピックも知らず、予選会が重要なものだとの認識もなく、ただ自分の実力を試したかっただけでした。四三に失望した嘉納は三島弥彦にオリンピック大会に出場するよう促しますが、弥彦も出場しないと返答し、嘉納はすっかり意気消沈します。それでも嘉納は四三を説得し、感銘を受けた四三はオリンピック出場を決意します。

 今回の実質的な主人公は嘉納といった感じで、喜怒哀楽の激しい人物像は娯楽ドラマ向きだと思います。今回は全体的に娯楽調だったので、気軽に視聴できました。ただ、今回も1960年場面が挿入され、これが少なからぬ視聴者に避けられている要因かもしれません。とくに、語り手である古今亭志ん生(美濃部孝蔵)の場面は、四三との関係がはっきりと見えてこないだけに、視聴者に避けられる要因になっているように思います。ただ、今後つながってくることを予感させる場面もあるので、楽しみに視聴を続けます。

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