大河ドラマ『西郷どん』第41回「新しき国へ」

 廃藩置県が断行され、島津久光は激昂します。新政府の改革は進みますが、海外使節団の派遣をめぐって対立は深まります。大久保一蔵(正助、利通)は西郷吉之助(隆盛)に、不満に思うだろう留守政府組を抑える役割を担うよう、期待していました。岩倉具視は留守政府を預かる隆盛に、海外使節団の帰国まで政策も人事も何も変えるな、と念押しします。しかし、江藤新平と後藤象二郎は岩倉・大久保・木戸たち要人の不在中に権力掌握を図り、山県有朋の汚職を追求します。隆盛は、島津久光をはじめとして新政府の方針を不満に思う人々を抑えるために、明治天皇の行幸を計画し、鹿児島もその対象となりました。久光は明治天皇に随行して鹿児島に帰ってきた隆盛に、不満をぶつけつつも叱咤します。

 今回は新政府への不満、さらには新政府内の対立も描かれましたが、おそらく本作では最後となるだろう、薩摩藩出身者たちの絆、とくに隆盛と利通の親密な関係が見どころだったでしょうか。この後には隆盛と利通の決別と薩摩藩出身者の分裂、さらには西南戦争まで行きつくわけで、予定調和的ではありますが、無難な構成になっていると思います。隆盛と久光とのやり取りは、ともに島津斉彬を慕い、反目し合ってきた二人の関係に一区切りをつけるという意味でよかったと思います。ただ、これで本作の久光の役割はほぼ終わったかな、と思うと残念ではあります。

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