ツイッター上で信頼性の低いコンテンツを拡散しているソーシャルボット
ツイッター上でのソーシャルボットの役割に関する研究(Shao et al., 2018)が公表されました。ソーシャルボットがソーシャルメディア上で信頼性の低い情報源からの記事の拡散と視認性に大きく寄与していると考える人は多く、インターネット媒体がそれらに制限を加えるよう求められていますが、そうした関与を示す証拠は、これまでのところ根拠薄弱でした。この研究は、2016年のアメリカ合衆国大統領選挙前後(2016年5月中旬から2017年3月まで)にツイッター上で40万の記事をシェアした、1400万回のツイートを解析しました。
その結果、信頼性の低い情報源(さまざまな種類の誤った情報を日常的に発しており、そのことが定評ある第三者の報道機関や事実確認団体によって確認されているウェブサイト)からの記事が投稿直後から急速に拡散される前までの間に、ソーシャルボットによる増幅が頻繁に起こっていた、と明らかになりました。またボットは、リプライ(応答)とメンション(言及)を使って、数多くのフォロワーを有する影響力の大きなユーザーを標的にしています。
この研究は、こうした戦略が成功しているのは、現代人がこうした操作に対して脆弱で、ソーシャルボットが投稿したコンテンツの一部を再シェアしてしまうためだ、との見解を提示しています。さらに、今回の解析では、ボットである可能性のひじょうに高いアカウントのごく一部(全体の約10%)の接続を切り離すことで、今回の研究期間中に信頼性の低いコンテンツへのリンクの拡散をほぼ解消できたことも明らかになりました。私もツイッターを利用しており、最近では自分から情報を発信することは基本的にありませんが、情報収集のために大いに活用しているだけに、他人事ではありません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【技術】ツイッター上での信頼性の低いコンテンツの拡散にソーシャルボットが力を貸している
ソーシャルボット(ソフトウエアによって制御されたソーシャルメディア上のアカウント)が、ツイッター上で信頼性の低い情報源からの記事の拡散に突出した役割を果たしていることが、2016年の米国大統領選挙の頃に実施された研究によって明らかになった。この知見を報告する論文が、今週掲載される。著者たちは、ソーシャルボットを抑制すれば、誤った情報がオンライン上で拡散することを制限できる可能性があるという考えを示している。
ソーシャルボットがソーシャルメディア上で信頼性の低い情報源からの記事の拡散と視認性に大きく寄与していると考える人は多く、インターネット媒体がそれらに制限を加えることが求められているが、そうした関与を示す証拠は、これまでのところ裏付けに乏しい。
今回、Filippo Menczerたちの研究グループは、2016年の米国大統領選挙前後(2016年5月中旬から2017年3月まで)にツイッター上で40万の記事をシェアした1400万回のツイートを解析した。その結果、信頼性の低い情報源(さまざまな種類の誤った情報を日常的に発しており、そのことが定評ある第三者の報道機関や事実確認団体によって確認されているウェブサイト)からの記事が投稿直後から急速に拡散される前までの間に、ソーシャルボットによる増幅が頻繁に起こっていたことが判明した。また、ボットは、リプライ(応答)とメンション(言及)を使って、数多くのフォロワーを有する影響力の大きなユーザーを標的にしている。Menczerたちは、こうした戦略が成功しているのは、現代人がこうした操作に対して脆弱で、ソーシャルボットが投稿したコンテンツの一部を再シェアしてしまうためだとの考えを示している。さらに、今回の解析では、ボットである可能性の非常に高いアカウントのごく一部(全体の約10%)の接続を切り離すことで、今回の研究期間中に信頼性の低いコンテンツへのリンクの拡散をほぼ解消できたことも明らかになった。
参考文献:
Shao C. et al.(2018): The spread of low-credibility content by social bots. Nature Communications, 9, 4787.
https://doi.org/10.1038/s41467-018-06930-7
その結果、信頼性の低い情報源(さまざまな種類の誤った情報を日常的に発しており、そのことが定評ある第三者の報道機関や事実確認団体によって確認されているウェブサイト)からの記事が投稿直後から急速に拡散される前までの間に、ソーシャルボットによる増幅が頻繁に起こっていた、と明らかになりました。またボットは、リプライ(応答)とメンション(言及)を使って、数多くのフォロワーを有する影響力の大きなユーザーを標的にしています。
この研究は、こうした戦略が成功しているのは、現代人がこうした操作に対して脆弱で、ソーシャルボットが投稿したコンテンツの一部を再シェアしてしまうためだ、との見解を提示しています。さらに、今回の解析では、ボットである可能性のひじょうに高いアカウントのごく一部(全体の約10%)の接続を切り離すことで、今回の研究期間中に信頼性の低いコンテンツへのリンクの拡散をほぼ解消できたことも明らかになりました。私もツイッターを利用しており、最近では自分から情報を発信することは基本的にありませんが、情報収集のために大いに活用しているだけに、他人事ではありません。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【技術】ツイッター上での信頼性の低いコンテンツの拡散にソーシャルボットが力を貸している
ソーシャルボット(ソフトウエアによって制御されたソーシャルメディア上のアカウント)が、ツイッター上で信頼性の低い情報源からの記事の拡散に突出した役割を果たしていることが、2016年の米国大統領選挙の頃に実施された研究によって明らかになった。この知見を報告する論文が、今週掲載される。著者たちは、ソーシャルボットを抑制すれば、誤った情報がオンライン上で拡散することを制限できる可能性があるという考えを示している。
ソーシャルボットがソーシャルメディア上で信頼性の低い情報源からの記事の拡散と視認性に大きく寄与していると考える人は多く、インターネット媒体がそれらに制限を加えることが求められているが、そうした関与を示す証拠は、これまでのところ裏付けに乏しい。
今回、Filippo Menczerたちの研究グループは、2016年の米国大統領選挙前後(2016年5月中旬から2017年3月まで)にツイッター上で40万の記事をシェアした1400万回のツイートを解析した。その結果、信頼性の低い情報源(さまざまな種類の誤った情報を日常的に発しており、そのことが定評ある第三者の報道機関や事実確認団体によって確認されているウェブサイト)からの記事が投稿直後から急速に拡散される前までの間に、ソーシャルボットによる増幅が頻繁に起こっていたことが判明した。また、ボットは、リプライ(応答)とメンション(言及)を使って、数多くのフォロワーを有する影響力の大きなユーザーを標的にしている。Menczerたちは、こうした戦略が成功しているのは、現代人がこうした操作に対して脆弱で、ソーシャルボットが投稿したコンテンツの一部を再シェアしてしまうためだとの考えを示している。さらに、今回の解析では、ボットである可能性の非常に高いアカウントのごく一部(全体の約10%)の接続を切り離すことで、今回の研究期間中に信頼性の低いコンテンツへのリンクの拡散をほぼ解消できたことも明らかになった。
参考文献:
Shao C. et al.(2018): The spread of low-credibility content by social bots. Nature Communications, 9, 4787.
https://doi.org/10.1038/s41467-018-06930-7
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