青谷上寺地遺跡の弥生時代後期人骨のmtDNA解析の続報
鳥取市の青谷上寺地遺跡で出土した、弥生時代後期となる紀元後1~2世紀の人骨のミトコンドリアDNA(mtDNA)解析については、以前当ブログで取り上げました(関連記事)。昨日(2018年11月17日)、その中間報告会が鳥取市の青谷町総合支所で開かれた、と報道されました。報道だけでは詳細は不明ですが、とりあえず備忘録として取り上げます。
青谷上寺地遺跡ではこれまでに約5300点の人骨が発見されており、頭蓋骨約40点から微量の骨を削り取ってDNAを解析し、32点の人骨でDNAの抽出に成功したそうです。このうち、「縄文系」は1人、「渡来系」は31人で、DNAの型(ハプログループのことでしょうか)は29種類に分かれ、血縁関係はほとんどないと明らかになった、とのことです。九州北部の弥生時代前期の遺跡で発見された人骨の分析では、在来の「縄文系」と「渡来系」の遺伝子が見つかったそうで、青谷上寺地遺跡の人骨についても、両系統の遺伝子が検出されると予想されていただけに、意外な結果だったようです。
青谷上寺地遺跡は、発掘調査から大陸などとの交易拠点だったと考えられており、多くの渡来人が入ってきて、交易で栄えていたのではないか、と指摘されています。ただ、青谷上寺地遺跡の後期弥生人集団において、「縄文系」との融合が進んでいたのか否か、また融合が進んでいたとしてどの程度だったのかは、核DNAを解析しないことには不明です。今後は、mtDNAで判明する母系だけではなく、父系についても分析が進められるとのことで、今後の研究の進展が期待されます。
青谷上寺地遺跡ではこれまでに約5300点の人骨が発見されており、頭蓋骨約40点から微量の骨を削り取ってDNAを解析し、32点の人骨でDNAの抽出に成功したそうです。このうち、「縄文系」は1人、「渡来系」は31人で、DNAの型(ハプログループのことでしょうか)は29種類に分かれ、血縁関係はほとんどないと明らかになった、とのことです。九州北部の弥生時代前期の遺跡で発見された人骨の分析では、在来の「縄文系」と「渡来系」の遺伝子が見つかったそうで、青谷上寺地遺跡の人骨についても、両系統の遺伝子が検出されると予想されていただけに、意外な結果だったようです。
青谷上寺地遺跡は、発掘調査から大陸などとの交易拠点だったと考えられており、多くの渡来人が入ってきて、交易で栄えていたのではないか、と指摘されています。ただ、青谷上寺地遺跡の後期弥生人集団において、「縄文系」との融合が進んでいたのか否か、また融合が進んでいたとしてどの程度だったのかは、核DNAを解析しないことには不明です。今後は、mtDNAで判明する母系だけではなく、父系についても分析が進められるとのことで、今後の研究の進展が期待されます。
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