気候変動による北アメリカ大陸のマルハナバチの個体数減少
気候変動による北アメリカ大陸のマルハナバチの個体数減少に関する研究(Sirois-Delisle, and Kerr., 2018)が公表されました。マルハナバチ種は、この100年間で分布域(マルハナバチ種が見られる地理的地域)が縮小し、個体数も減少しています。その一因として、ネオニコチノイド系殺虫剤やスルホキシイミン系殺虫剤といった農薬の問題もありますが(関連記事)、気候変動も一因となっており、マルハナバチは頻発する極端な気温現象の影響を受けやすい、と指摘されています。一部の花粉媒介生物種は、急激な気温の変化に対応して高緯度地域に移動していますが、マルハナバチ種の大半は、分布域の北限を超えて移動しておらず、分布域の南限では個体数が減少しています。
この研究は、過去のマルハナバチの分布域変化のパターンとマルハナバチの女王バチの分散速度のデータを用いて、さまざまな気候の将来予測シナリオ(温室効果ガス排出量が、それぞれ2020年・2040年・2080年頃にピークを迎えるシナリオと、21世紀の終わりまで増加し続けるシナリオ)で想定される分布域変化をモデル化しました。その結果、温室効果ガス排出量が2020年にピークを迎えるという、気候変動の深刻さが最も小さなシナリオを用いた場合を含む全モデルにおいて、将来的に北アメリカ大陸のかなり広い地域でマルハナバチ種の個体数は著しく減少する可能性が高い、と示唆されました。
マルハナバチの実際の分散速度(1年当たり10km)を用いた場合、モデル化されたマルハナバチ種の一部は、2070年に分布域が25%以上減少すると予測されました。また、これらのモデルから、多くのマルハナバチ種の分布域が拡大し、互いに重複する可能性が明らかになっており、分布域拡大の「ホットスポット」(おもにカナダのケベック州オンタリオとアメリカ合衆国ミシガン州北部)の存在が示唆されました。これらの地域では、保全管理活動によって多くのマルハナバチ種が一度に恩恵を受ける可能性があります。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【生態学】北米でのマルハナバチの個体数減少が気候変動によって深刻化する恐れ
北米のかなり広い地域で、気候変動を原因とするマルハナバチ種の個体数減少が今後さらに進む可能性が高いことを報告する論文が、今週掲載される。
マルハナバチ種は、この100年間で分布域(この昆虫種が見られる地理的地域)が縮小し、個体数も減少している。その要因の1つが気候変動で、マルハナバチは頻発する極端な気温現象の影響を受けやすい。一部の花粉媒介生物種は、急激な気温の変化に対応して高緯度地域に移動しているが、マルハナバチ種の大半は、分布域の北限を超えて移動しておらず、分布域の南限では個体数が減少している。
今回、Catherine Sirois-DelisleとJeremy Kerrは、過去のマルハナバチの分布域変化のパターンとマルハナバチの女王バチの分散速度のデータを用いて、さまざまな気候の将来予測シナリオ(温室効果ガス排出量が、それぞれ2020年、2040年、2080年頃にピークを迎えるシナリオと、21世紀の終わりまで増加し続けるシナリオ)で想定される分布域変化をモデル化した。その結果、全てのモデル(温室効果ガス排出量が2020年にピークを迎えるという、気候変動の深刻さが最も小さなシナリオを用いた場合を含む)において、将来的に北米のかなり広い地域でマルハナバチ種の個体数が著しく減少する可能性が高いことが示唆された。マルハナバチの実際の分散速度(1年当たり10キロメートル)を用いた場合、モデル化されたマルハナバチ種の一部は、2070年に分布域が25%以上減少すると予測された。また、これらのモデルから、多くのマルハナバチ種の分布域が拡大して互いに重複する可能性が明らかになっており、分布域拡大の「ホットスポット」(主にカナダのケベック州オンタリオと米国ミシガン州北部)の存在が示唆された。これらの地域では、保全管理活動によって多くのマルハナバチ種が一度に恩恵を受ける可能性がある。
参考文献:
Sirois-Delisle C, and Kerr JT.(2018): Climate change-driven range losses among bumblebee species are poised to accelerate. Scientific Reports, 8, 14464.
https://doi.org/10.1038/s41598-018-32665-y
この研究は、過去のマルハナバチの分布域変化のパターンとマルハナバチの女王バチの分散速度のデータを用いて、さまざまな気候の将来予測シナリオ(温室効果ガス排出量が、それぞれ2020年・2040年・2080年頃にピークを迎えるシナリオと、21世紀の終わりまで増加し続けるシナリオ)で想定される分布域変化をモデル化しました。その結果、温室効果ガス排出量が2020年にピークを迎えるという、気候変動の深刻さが最も小さなシナリオを用いた場合を含む全モデルにおいて、将来的に北アメリカ大陸のかなり広い地域でマルハナバチ種の個体数は著しく減少する可能性が高い、と示唆されました。
マルハナバチの実際の分散速度(1年当たり10km)を用いた場合、モデル化されたマルハナバチ種の一部は、2070年に分布域が25%以上減少すると予測されました。また、これらのモデルから、多くのマルハナバチ種の分布域が拡大し、互いに重複する可能性が明らかになっており、分布域拡大の「ホットスポット」(おもにカナダのケベック州オンタリオとアメリカ合衆国ミシガン州北部)の存在が示唆されました。これらの地域では、保全管理活動によって多くのマルハナバチ種が一度に恩恵を受ける可能性があります。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。
【生態学】北米でのマルハナバチの個体数減少が気候変動によって深刻化する恐れ
北米のかなり広い地域で、気候変動を原因とするマルハナバチ種の個体数減少が今後さらに進む可能性が高いことを報告する論文が、今週掲載される。
マルハナバチ種は、この100年間で分布域(この昆虫種が見られる地理的地域)が縮小し、個体数も減少している。その要因の1つが気候変動で、マルハナバチは頻発する極端な気温現象の影響を受けやすい。一部の花粉媒介生物種は、急激な気温の変化に対応して高緯度地域に移動しているが、マルハナバチ種の大半は、分布域の北限を超えて移動しておらず、分布域の南限では個体数が減少している。
今回、Catherine Sirois-DelisleとJeremy Kerrは、過去のマルハナバチの分布域変化のパターンとマルハナバチの女王バチの分散速度のデータを用いて、さまざまな気候の将来予測シナリオ(温室効果ガス排出量が、それぞれ2020年、2040年、2080年頃にピークを迎えるシナリオと、21世紀の終わりまで増加し続けるシナリオ)で想定される分布域変化をモデル化した。その結果、全てのモデル(温室効果ガス排出量が2020年にピークを迎えるという、気候変動の深刻さが最も小さなシナリオを用いた場合を含む)において、将来的に北米のかなり広い地域でマルハナバチ種の個体数が著しく減少する可能性が高いことが示唆された。マルハナバチの実際の分散速度(1年当たり10キロメートル)を用いた場合、モデル化されたマルハナバチ種の一部は、2070年に分布域が25%以上減少すると予測された。また、これらのモデルから、多くのマルハナバチ種の分布域が拡大して互いに重複する可能性が明らかになっており、分布域拡大の「ホットスポット」(主にカナダのケベック州オンタリオと米国ミシガン州北部)の存在が示唆された。これらの地域では、保全管理活動によって多くのマルハナバチ種が一度に恩恵を受ける可能性がある。
参考文献:
Sirois-Delisle C, and Kerr JT.(2018): Climate change-driven range losses among bumblebee species are poised to accelerate. Scientific Reports, 8, 14464.
https://doi.org/10.1038/s41598-018-32665-y
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