大河ドラマ『西郷どん』第29回「三度目の結婚」

 西郷吉之助(隆盛)は1年振りに薩摩に帰ります。島津久光は相変わらず吉之助を嫌っているようで、吉之助は大功を挙げたとはいえ、前途洋々とはいかないようです。吉之助は大久保一蔵(正助、利通)を呼び出して倒幕の意思を伝え、助力を要請しますが、「国父」たる久光も藩主の茂久も幕政参加を志向していることと、倒幕に動けば薩摩藩が孤立することを懸念し、一蔵は倒幕には否定的で、吉之助の要請を断ります。西郷家の者が吉之助に結婚を勧めるなか、川口雪篷が島流しの罪を許され、西郷家に居候することになります。

 幕府は一旦薩摩藩の参勤交代を免除しますが、一橋(徳川)慶喜の意向で再度参勤交代を命じられ、激昂した久光は吉之助に八つ当たりします。しかし、吉之助は久々に謝罪し、予想外の吉之助の態度に久光は困惑します。吉之助は久光の歓心を買い、薩摩藩を倒幕へと導こうとします。吉之助は改めて一蔵に、慶喜は再度長州藩を征伐しようとするので、そのさい薩摩藩は長州藩と結んで幕府に対抗すべきだ、と一蔵を説得しますが、一蔵は再度拒絶します。

 今回は薩摩藩内のみが舞台となり、政治的な話もありましたが、ほぼ吉之助の結婚話だけが描かれました。正直なところ、恋愛物語としてはさっぱり面白くなかったのですが、吉之助と一蔵のやり取りは、今後の展開を多少は期待させるような内容で、それなりに楽しめました。同じく西郷隆盛が主人公ということで、本作と比較対象になる『翔ぶが如く』は1990年放送で、今年(2018年)と日付・曜日が一致しています。『翔ぶが如く』は8月5日放送分から明治編に入りましたが、本作はまだ薩摩藩と長州藩との提携まで話が進んでいません。さすがに進行が遅すぎると思うのですが、元々明治編は短い予定だったのでしょうか。

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