大河ドラマ『西郷どん』第15回「殿の死」

 今回は、13代将軍である徳川家定の後継者をめぐる政争が急展開しました。西郷吉之助(隆盛)は橋本左内とともに京都に赴き、朝廷工作を進めます。すでに篤姫(於一、天璋院)が一橋(徳川)慶喜を次の将軍とするよう、家定に進言し、家定が承認したこともあり、情勢は一橋派に一気に傾いたかに見えました。しかし、家定が倒れて重体に陥り、その隙に徳川慶福(家茂)を次の将軍に推す南紀派が巻き返しを図ります。井伊直弼は大老に就任し、次期将軍を慶福と決定します。

 吉之助は薩摩に戻り、主君である島津斉彬に、一橋派が敗れたことを伝えます。斉彬は吉之助に役目を解くと伝え、万策尽きた、と吉之助は落胆します。そんな吉之助を励ましたのは大久保正助(利通)でした。家定は亡くなり、斉彬も万策尽きて自暴自棄になりかけますが、正助に励まされた吉之助は強引に斉彬と面会し、挙兵を勧めます。京都で馬揃えを行なうことで朝廷に圧力をかけて勅許を得よう、というわけです。斉彬は吉之助の進言を受けて覚悟を決めます。吉之助は斉彬の命で京都に向かい、諸藩の説得工作に従事することになります。

 しかし、斉彬は挙兵の準備中に倒れ、亡くなります。斉彬は急死したそうなので、今回の描写も悪くはないのかもしれませんが、それにしても、正助とともに主人公に次ぐくらいの重要人物にしては、あっけない最期だったように思います。まあ、斉彬の最期は次回でもっと詳しく描かれるのかもしれませんが。今回は、政治劇と友情物語が描かれ、連続歴史ドラマとして王道的な構成になっていたように思います。今後しばらくは吉之助の苦難が描かれるようで、本作第一の山場となりそうですから、楽しみです。

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