大河ドラマ『西郷どん』第11回「斉彬暗殺」

 これは3月21日分の記事として掲載しておきます。島津斉彬の息子の虎寿丸が死亡します。江戸と薩摩の斉彬派は激昂しますが、薩摩に残っている大久保正助(利通)は自制を主張します。正助は偶然、斉彬の異母弟である久光に接近する機会を得ます。この出会いは、今後の展開を考えるとかなり重要な場面と言えそうです。一方、西郷吉之助(隆盛)は、斉彬と諸侯との会議に随行し、松平慶永とも面識を得ます。会議には、すでに吉之助にとって面識のある徳川斉昭・一橋慶喜も出席しており、松平慶永は家臣の橋本左内を随行させていました。斉彬・斉昭・慶永は慶喜を将軍にしようと改めて誓いますが、慶喜は、将軍になりたくはない、と言って反発します。

 諸侯との会議の帰途、斉彬は倒れ重体に陥りますが、回復します。吉之助は斉彬に、毒に注意するよう進言します。吉之助は橋本左内に、斉彬の食事に毒が入っていないか、調べてほしい、と依頼します。すると、西郷が疑った通り、毒(ヒ素)が入っていました。そこへ、薩摩言葉の男性が左内を襲ってきます。吉之助は斉彬の父である斉興に面会を申し出ますが、斉興は吉之助に菓子を与え、食べよと命じます。吉之助は斉興と由羅を詰問しますが、証拠はなく、引き下がらざるを得ませんでした。

 今回は、幕府と薩摩藩内の政治的暗闘が描かれました。吉之助の行動はさすがに無謀で、歴史ドラマとしてどうかとは思うのですが、斉彬が吉之助を叱責することにより、安直な主人公賛美にならなかったのはよかったと思います。井伊直弼と今回が初登場となる長野主膳はなかなか存在感があり、今後が楽しみです。斉興と由羅が分かりやすい喜劇調の敵役として造形されているのにたいして、井伊直弼と長野主膳は冷静な強敵といった感じで、この対比は娯楽ドラマとしてなかなか工夫されていると思います。

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