ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』708話~711話

708話「撃て!愛を」5
 タバコ屋の店主の男性が、店を訪れて突然店主を射殺します。DJとトシさんは事件直後に付近を歩いていた怪しげな男性を逮捕します。男性からは硝煙反応が確認されましたが、男性は花火をしていただけだ、と弁明します。聞き込み中、DJは若い女性画家と出会います。この女性が偶然拳銃を発見し、話が展開していきます。女性は年上の画商の男性と不倫関係にあり、DJとトシさんに拳銃を拾ったのではないか、と問い詰められても否定します。男女の関係と情念を描いたやや大人向けの話でしたが、平板なところがあり、その点は残念でした。まあ、あえて女性に撃たせるというオチは悪くなかったと思いますが。本作では定番の、若手刑事の悲恋ものにもなっています。ゲストとして斉藤慶子氏・柴田侊彦氏・小野進也氏が出演しており、なかなか豪華な配役だと思います。それにしても、斉藤慶子氏は美人ですなあ。


709話「タイムリミット・午前六時」5
 銀行襲撃事件で逮捕された弟を解放させるため、兄は子供を誘拐し、弟と子供との交換を要求します。ところが、弟は釈放されたものの、人質にとられた子供との交換交渉の最中に、兄の運転する自動車に乗ろうとして強引に道路を渡り、ダンプに撥ねられて死亡します。兄は、弟の死は一係のせいだと逆恨みし、翌朝6時に子供を殺す、と宣言します。ドックが民間人の自動車を借りて単独で犯人たちを追跡し、隠れ家を突き止めます。まずまず緊張感のある展開でしたが、新鮮さに欠けた感は否めません。原とボンのテーマが聴けて懐かしかったのですが、なぜこの選曲なのか、よく分かりませんでした。弟を演じたのは北條清嗣氏ですが、相変わらず憎々しい役を演じると本当に上手いと思います。北條氏の演じる弟が序盤で退場したのは残念でした。


710話「殺意との対決・橘警部」5
 橘警部は、自動車に乗って出勤中に、自動車から降りた男性にライフル銃で狙撃されます。犯人が乗っていた自動車はすぐに発見されましたが、盗難届が出ていました。その後、犯人から橘警部に、お前たちを一人残らず殺す、と犯行予告電話がかかってきます。犯人が誰なのか、「お前たち」とは誰のことなのか、橘警部にも分かりません。犯行動機と犯人が誰を標的にするのか分からず、序盤は謎解き要素と緊張感のある話になっていて、なかなかよかったと思います。犯人は予告通り、男性を殺害します。その男性は弁護士で、橘警部は犯人が以前自分の捜査した事件と関わっているのではないか、と推理します。犯人とその動機が早くに分かってしまい、謎解き要素という点ではあまり楽しめませんでしたが、橘警部の覚悟が描かれていて、最後まで緊張感があって悪くはなかったと思います。まあ、最後はかなり強引な展開だったので、その分割引となりますが。


711話「ジョーズ刑事の華麗な復活」8
 じつに472話以来となる鮫島勘五郎シリーズ(通算9話目)で、本放送時の間隔でいうと、5年振りとなります。当時のレギュラーメンバーで今回も出演しているのはドックだけで、この間の変化の大きさを改めて痛感します。鮫島はトシさんとは面識がないようでしたが、橘警部とは面識がありました。マミーは以前より鮫島と面識がありそうですが、今回はそうした描写はありませんでした。鮫島が再婚していたことも明らかになりますが、何度か登場し、セミレギュラーとも言えた鮫島の前妻とは離婚なのか死別なのか、今回は語られませんでした。検索した限りでは、本放送当時、すでに鮫島の前妻を演じていた北あけみ氏は芸能界から引退していたようなので、それが鮫島を再婚という設定で登場させた理由でしょうか。警察を退職後は登場するたびに職を変えていた鮫島ですが、今回は夫婦で自然食品の販売を営んでいます。

 話の方は、鮫島夫妻が開いた自然食品のホームパーティー会場で若い女性が倒れたところから始まります。犯人が冒頭で明らかにされたのは意外でしたが、その動機と鮫島の真意はなかなか明らかにならず、謎解きの点でまずまず楽しめました。まあ今回は、鮫島とDJの掛け合いを中心に喜劇調になっていたので、そちらの方で楽しめましたが。冒頭の曲は初期の頃に流れていた「情報」なのですが、久しく聴いていなかったように思います。その他にもやや懐かしさを感じる曲があり、初期から出演していた鮫島の再登場回に合っていたように思います。話自体も、破天荒な鮫島のキャラが活かされていてなかなか楽しめましたが、やはり、末期になっての鮫島の再登場は嬉しいもので、この点からも評価を高めとしました。

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