ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』 691話「さらば!山村刑事」10

 これは12月26日分の記事として掲載しておきます。ついに山さんが殉職となります。山さん殉職の報道を知った時は、いよいよ『太陽にほえろ!』も終わりなのかな、と寂しく思ったものです。長く描かれてきた息子との関係に一応の決着がついたこともあり、まさに山さんの物語の完結といった感じでした。山さんの殉職場面は派手な銃撃戦が続くようなものではなく、あっさりとしていましたが、息子との最後の会話は心に響くものがありました。最後にボスが、「山さんが死んだ?」とだけ言うところは、随分とあっさりとしたものだと当時は思いましたが、今となっては、これでもよかったかな、と思います。

 山さんも、栄転を目前にした殉職となり、幸福・安堵の直後またはそれが実現する直前の殉職という、本作の王道と言えるでしょう。また、強大な敵との対峙・山さん対決編になっているという点でも、本作の王道的な話になっていました。不満を挙げるとすれば、山さんがお手伝いさんとして雇い、山さんの息子の世話をしていた高田加代子が登場しなかったことで、何らかの形で登場しなくとも、せめて言及してもらえたらな、とも思います。

 今回の話に大きな不満はないのですが、演じる露口茂氏の希望もあったとはいえ、本作長期化の大功労者だけに、やはり転勤という形での退場にしてもらいたかった、との気持ちもあります。ボス役の石原裕次郎氏の体調を考えると、この時点からの本作の1年以内の終了は避けられなかったのでしょうが、この後のボス不在時や第二部で助っ人として登場する山さんも見たかったものです。山さんファンとしては何とも残念ではあります。この後の第二部を除くと残り半年分ほどとなりますが、山さんのいない本作を視聴するのはたいへん辛いものです。ただ、これ以降は本放送時以来の視聴となり、内容を忘れた話が多いので、新鮮な気持ちで視聴することができそうです。

この記事へのコメント

いち
2017年12月25日 18:26
こんばんは。まさか山さんが殉職するとは思いませんでした。しかし、数ヶ月後の「太陽にほえろ!」の最終回。どのように最終回を迎えるかということと絡ませて考えれば、殉職も仕方がないように思います。
最終回を迎える理由として裕次郎氏の体力が限界に達したのでしょう。ボスの代わりが務まる山さんもいない、殉職していない状態に持っていきたかったのではないでしょうか?ただ、山さんは殉職キャラではないので、これまでの殉職劇とは違って見えました。→被弾箇所がよく分からない。残った仲間が悲しむ場面もない。これらが意図することが何なのかよくわかりませんが、他にベストな方法があるかと言えば、ないようにも思えました。ただ、我々ファンの想いは最後まで見守りたいということに尽きると思います。
2017年12月25日 19:23
確かに、残った仲間が悲しむ場面もなく、同じく本作の大功労者だったゴリさんの殉職と比較すると、あっさりとしたものでしたが、今にして思うと山さんらしい最期で、ゴリさんとの対比であえてそうしたのかな、とも思います。

山さんがいなくなって喪失感は大きいのですが、残りの話ではデューク退場回を楽しみにしています。
一係の非常勤
2018年09月12日 22:35
#691『さらば!山村刑事』
番組24人のレギュラー中、第1話から殉職のこの回の出演まで、唯一の皆勤賞 功労者だった(ある意味ボスよりも)山さんの死にしてはあっさりしすぎていた感は自分も感じていました。
管理人さんのおっしゃるように、せめて他の歴代刑事の時のように、一係に残されたメンバーが、在りし日の山さんを回想するシーンでもあればなぁ とそれが疑問の一点目。
それと、高田加代子を演じた千野弘美をなぜ隆君(小椋基広)と共演させなかったのかも疑問の二点目。
管理人さんと同じことを感じていたようです。
その二点を除けば、拳銃密輸事件に外交官(ジェリー伊藤)が特権を使って絡んできたり、山さんの千代田署への栄転話、そして山さんがついに隆君を実の両親(父親は清水章吾)に返すと決め、その前に休暇を取って、二人で遊園地で遊ぶシーン そして、梶田組の刺客に襲われ、致命傷を負いながらも、親許に返した隆君との最後の『親子』の会話など、見所は多いんですけどね。
2018年09月13日 17:40
不満点もないわけではありませんが、全体的には山さんの殉職回として悪くなかったと思います。

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