第48回衆院選結果
これは10月27日分の記事として掲載しておきます。議席・得票数が確定したので、今回の衆院選について取り上げます。各党の確定議席数は以下の通りで、()は公示前の議席数です。
自民党:284(284)
立憲民主党:55(15)
希望の党:50(57)
公明党:29(35)
共産党:12(21)
維新の会:11(14)
社民党:2(2)
無所属:38(44)
近年の国政選挙と同じく、おおむね大手マスコミの予想通りの結果となりました。野党側の選挙準備体制が整わないうちに解散しようという、与党側の権力維持の観点からはたいへん有効ではあるものの、労力・税金の使用など多数の国民の観点からは必要のない時期の衆院選だったと私は考えているのですが、安倍首相の当初の目論見通り、与党の大勝となりました。ただ、衆院解散の直前から直後あたりの一時は、週刊誌で自民党100議席減とか小池首相誕生とか報じられて、安倍首相をはじめとして政権中枢の人々も大いに焦ったことでしょう。
希望の党は立憲民主党を下回る50議席で、失速の要因は小池都知事の「排除」発言にあると言われていますが、昨年(2016年)の都知事選(関連記事)や今年の都議選(関連記事)での小池都知事の大勝は、自民党都連に「虐められている」と少なからぬ有権者に強く印象づけられたことが要因で、今回の衆院選では「虐める側」に回ったと少なからぬ有権者に判断されてしまったことが、失速の要因だと思います。ともかく、これで小池都知事の政治生命は実質的に断たれたのも同然で、もう首相になることはもちろん、大臣になることも無理でしょう。都政でもとくに功績はなく、豊洲市場問題などむしろいたずらに混乱させているだけなので、都知事として再選も危ういかもしれません。今回の衆院選の最大の成果は、危険人物である小池都知事の政治生命が実質的に断たれたことにあると思います。一時は希望の党の大躍進も予想されていただけに、これには本当に安心しています。
自民党は284議席と3回続けての衆院選での大勝で、比例代表選での得票率は33.28%となり、前々回(2012年)の27.6%だけではなく、前回(2014年)の33.11%も上回りました。ただ、衆院選が始まる前後の安倍内閣の支持率も、一時よりは上向いているものの、以前と比較すると低迷しており、前々回・前回に続いての今回の大勝も、野党側、今回の場合具体的に挙げると前原代表と小池都知事の失策に助けられた感があります。前原代表と小池都知事を無理に擁護しようとすると、「左翼」を切り捨てるためにあえて自身を捨て石にしたのだ、となるでしょうか。まあ、単に見込み違いだと思いますが。数十年後にそうした観点(妄想)から小説が書かれるかもしれません。安倍首相はもう改憲にはあまり熱意を抱いていない、との報道もあるようですが、本気で改憲を考えているならば、首相解散権という解釈についても、変えるか制限を加えてもらいたいものです。
立憲民主党は急ごしらえではあったものの、55議席と結党時の予想よりは善戦したと言えるでしょう。やはり、「虐められる側」との印象を少なからぬ有権者が抱いたことが要因だと思います。また、前回は悩んだ末に共産党に投票しただろう「穏健な左翼寄り」の有権者が、多数投票したのではないか、とも推測されます。公明党は29議席と前回から議席を減らしましたが、都議選の「報復」ということで、自民党支持層の支援が前回ほどには得られなかったのでしょうか。都議会での小池都知事と公明党との協力体制がどうなるのか、一都民としては気になるところです。
共産党は大手マスコミの予想通り12議席と前回より大きく減らし、「野党再編」の渦中にはおらず埋没してしまったことと、立憲民主党に反自民党傾向の強い浮動層が流れたことが敗因なのでしょう。共産党の比例代表選での得票率は7.90%で、前々回の6.13%は上回ったものの、前回の11.37%を大きく下回りました。2013年頃からの共産党の「バブル」も完全に終焉したという感じですが、立憲民主党をはじめとして反自民党的性格の強い野党が今後低迷するようだと、また共産党が一定以上の支持を集めることもあるでしょう。投票率は53.68%で前回より多少上がりましたが、低投票率には変わりありません。まあ、台風が通過し、悪天候だった地域も多かったことを考えると、前回よりは有権者の関心が高かった、と考えるべきでしょうか。
なお、過去の衆院選の記事は以下の通りです。
2009年
https://sicambre.seesaa.net/article/200908article_31.html
2012年
https://sicambre.seesaa.net/article/201212article_19.html
2014年
https://sicambre.seesaa.net/article/201412article_17.html
自民党:284(284)
立憲民主党:55(15)
希望の党:50(57)
公明党:29(35)
共産党:12(21)
維新の会:11(14)
社民党:2(2)
無所属:38(44)
近年の国政選挙と同じく、おおむね大手マスコミの予想通りの結果となりました。野党側の選挙準備体制が整わないうちに解散しようという、与党側の権力維持の観点からはたいへん有効ではあるものの、労力・税金の使用など多数の国民の観点からは必要のない時期の衆院選だったと私は考えているのですが、安倍首相の当初の目論見通り、与党の大勝となりました。ただ、衆院解散の直前から直後あたりの一時は、週刊誌で自民党100議席減とか小池首相誕生とか報じられて、安倍首相をはじめとして政権中枢の人々も大いに焦ったことでしょう。
希望の党は立憲民主党を下回る50議席で、失速の要因は小池都知事の「排除」発言にあると言われていますが、昨年(2016年)の都知事選(関連記事)や今年の都議選(関連記事)での小池都知事の大勝は、自民党都連に「虐められている」と少なからぬ有権者に強く印象づけられたことが要因で、今回の衆院選では「虐める側」に回ったと少なからぬ有権者に判断されてしまったことが、失速の要因だと思います。ともかく、これで小池都知事の政治生命は実質的に断たれたのも同然で、もう首相になることはもちろん、大臣になることも無理でしょう。都政でもとくに功績はなく、豊洲市場問題などむしろいたずらに混乱させているだけなので、都知事として再選も危ういかもしれません。今回の衆院選の最大の成果は、危険人物である小池都知事の政治生命が実質的に断たれたことにあると思います。一時は希望の党の大躍進も予想されていただけに、これには本当に安心しています。
自民党は284議席と3回続けての衆院選での大勝で、比例代表選での得票率は33.28%となり、前々回(2012年)の27.6%だけではなく、前回(2014年)の33.11%も上回りました。ただ、衆院選が始まる前後の安倍内閣の支持率も、一時よりは上向いているものの、以前と比較すると低迷しており、前々回・前回に続いての今回の大勝も、野党側、今回の場合具体的に挙げると前原代表と小池都知事の失策に助けられた感があります。前原代表と小池都知事を無理に擁護しようとすると、「左翼」を切り捨てるためにあえて自身を捨て石にしたのだ、となるでしょうか。まあ、単に見込み違いだと思いますが。数十年後にそうした観点(妄想)から小説が書かれるかもしれません。安倍首相はもう改憲にはあまり熱意を抱いていない、との報道もあるようですが、本気で改憲を考えているならば、首相解散権という解釈についても、変えるか制限を加えてもらいたいものです。
立憲民主党は急ごしらえではあったものの、55議席と結党時の予想よりは善戦したと言えるでしょう。やはり、「虐められる側」との印象を少なからぬ有権者が抱いたことが要因だと思います。また、前回は悩んだ末に共産党に投票しただろう「穏健な左翼寄り」の有権者が、多数投票したのではないか、とも推測されます。公明党は29議席と前回から議席を減らしましたが、都議選の「報復」ということで、自民党支持層の支援が前回ほどには得られなかったのでしょうか。都議会での小池都知事と公明党との協力体制がどうなるのか、一都民としては気になるところです。
共産党は大手マスコミの予想通り12議席と前回より大きく減らし、「野党再編」の渦中にはおらず埋没してしまったことと、立憲民主党に反自民党傾向の強い浮動層が流れたことが敗因なのでしょう。共産党の比例代表選での得票率は7.90%で、前々回の6.13%は上回ったものの、前回の11.37%を大きく下回りました。2013年頃からの共産党の「バブル」も完全に終焉したという感じですが、立憲民主党をはじめとして反自民党的性格の強い野党が今後低迷するようだと、また共産党が一定以上の支持を集めることもあるでしょう。投票率は53.68%で前回より多少上がりましたが、低投票率には変わりありません。まあ、台風が通過し、悪天候だった地域も多かったことを考えると、前回よりは有権者の関心が高かった、と考えるべきでしょうか。
なお、過去の衆院選の記事は以下の通りです。
2009年
https://sicambre.seesaa.net/article/200908article_31.html
2012年
https://sicambre.seesaa.net/article/201212article_19.html
2014年
https://sicambre.seesaa.net/article/201412article_17.html
この記事へのコメント
ほんの1ヶ月前の大阪の某市長選挙は自・共・民の協党だったのです。 維新vs非維新。 選挙当日、私は非維新側の選挙違反ポスターを見つけました。選管に連絡し剥がしてもらいましたが・・・ 。
大阪でやってきた維新の改革→増税なしで私立高校の無償化・府議会議員二割定数削減などが全国に広がって欲しいと思っています。