左巻健男『暮らしのなかのニセ科学』
これは10月1日分の記事として掲載しておきます。平凡社新書の一冊として平凡社より2017年6月に刊行されました。現代日本社会(もちろん、日本に限らないのでしょうが)において、ニセ科学と呼ばれるものは多くあり、中にはかなり浸透しているものもありますが、本書は「暮らしのなか」と題しているように、生活、とくに健康と強く直接的に関連したニセ科学を取り上げて検証しています。生活との直接的関わりがさほど強くないニセ科学としては、たとえば相対性理論への「懐疑」や進化学を否定する創造説やその亜流的な説などがある、と言えるでしょう。
本書はニセ科学の各論に入る前に、そもそも人間は騙されやすいようにできている、と指摘します。騙されやすい心理システムは、人間が進化の過程で獲得してきたものだ、というわけです。人間が今のような心理システムを獲得して以降(その時期はまだ明確には分からず、本書では4万年前頃という年代を一説として提示しています)、さほど時間が経過していないので、理屈に合わないことでも簡単に信じてしまうのだ、と本書は指摘します。
本書は各論で、癌・サプリメントや健康食品・ダイエット・ホメオパシーなどの健康法・食品添加物・水ビジネス・抗菌商品・EM(有用微生物群)を取り上げています。確かに、現代日本社会ではこうしたニセ科学が横行しており、現代日本人の健康、さらには生命をも損なう危険性を考えると、本書のさまざまな指摘は生きていくうえで重要だと言えるでしょう。また、こうしたニセ科学に関して、悪意からではなく善意から強く進める人がいる、との指摘も重要となるでしょう。
本書はニセ科学の各論に入る前に、そもそも人間は騙されやすいようにできている、と指摘します。騙されやすい心理システムは、人間が進化の過程で獲得してきたものだ、というわけです。人間が今のような心理システムを獲得して以降(その時期はまだ明確には分からず、本書では4万年前頃という年代を一説として提示しています)、さほど時間が経過していないので、理屈に合わないことでも簡単に信じてしまうのだ、と本書は指摘します。
本書は各論で、癌・サプリメントや健康食品・ダイエット・ホメオパシーなどの健康法・食品添加物・水ビジネス・抗菌商品・EM(有用微生物群)を取り上げています。確かに、現代日本社会ではこうしたニセ科学が横行しており、現代日本人の健康、さらには生命をも損なう危険性を考えると、本書のさまざまな指摘は生きていくうえで重要だと言えるでしょう。また、こうしたニセ科学に関して、悪意からではなく善意から強く進める人がいる、との指摘も重要となるでしょう。
この記事へのコメント
イエス、あるいはノーでお答えいただきたい。
訂正します。病気と治療は、疑似科学の主要テーマの1つであるのに、何も分らないで済むはずはないだろう。
そもそも、このブログで疑似科学について言及したことはたいへん少なく、優先順位はさほど高くありません。書店で見かけて面白そうな本だったので、購入して読んだまでのことです。
何を根拠に私を「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」の共同研究員と判定したのか、私を誰と誤認しているのか知りませんが、大迷惑ですな。