大河ドラマ『おんな城主 直虎』第33回「嫌われ政次の一生」

 これは8月21日分の記事として掲載しておきます。徳川と内通していた直虎(次郎法師)と小野政次(鶴丸)は約束通り徳川勢の井伊谷への進軍を受け入れようとしますが、その軍勢に向かって突然矢が放たれます。徳川の先導役を務めていた近藤康用は、徳川勢に弓を引いた罪を政次に押しつけ、井伊谷をわがものにしようと企んでいました。政次は逃亡し、政次の潔白を主張する直虎は牢に閉じ込められます。徳川家康は近藤康用の策謀ではないかと疑いますが、武田から駿府を落としたとの報せが届き、家康は真偽を確かめる前に進軍しようと考え、牢の直虎を訪ねてひたすら土下座します。政次は直虎の母たちに、必ず直虎を救う、と約束します。

 南渓和尚は井伊谷に残った近藤康用を訪ね、直虎を釈放するよう頼みこみますが、政次と引き換えだ、と近藤康用は返答します。政次がどこに逃げたのか、南渓和尚は直虎に尋ねますが、政次は悪くない、と言って直虎は教えようとはしません。南渓和尚は直虎と政次の二人を落ち延びさせ、再起を図ろうとして龍雲丸に依頼します。しかし、政次はあえて近藤康用に捕らえられ、直虎は釈放されます。龍雲丸は政次を救出しようとしますが、政次は断ります。近藤康用をはじめとして井伊への恨みが晴れなければ、井伊家中と井伊谷が今後も狙われ続けるので、自分が斬られることで禍根を断つ、自分は嫌われるために生まれてきたのだ、と政次は龍雲丸に言います。

 政次が磔になると聞いた直虎は、政次を見送るべく刑場へと赴きます。近藤康用の家臣が政次を槍で突こうとした瞬間、直虎が槍を手に取って政次を刺し、よくも今まで騙してくれたな、と政次を罵倒します。政次は一瞬満足そうに微笑み、直虎を愚弄・罵倒して絶命します。今回は、確かに本作最大の山場と言うべきで、政次の最期をいかに盛り上げるのか、制作者側が工夫してきたな、と思います。直虎が井伊を守ろうとする政次の真意を深く理解し、覚悟を決めて政次を刺すという展開は予想していなかったので、ひねってきたなあ、と思います。正直なところ、前回までは、井伊家中が政次の真意を悟るのは政次の死後の方がよいのではないか、と思っていたのですが、このような政次の最期ならば、納得のいく展開です。本作最大の山場を越えて、今後盛り下がるのではないか、と懸念されますが、井伊の苦難や信康事件などもあるので、最終回まで楽しめそうです。

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