ファミリー劇場HDリマスター版『太陽にほえろ!』649話~652話

649話「ラストダンス」2
 ある夜、老人が殺人事件を目撃します。トシさんは、以前起きた強盗殺人事件と手口が似ていることから、同一犯ではないか、と推理します。トシさんとブルースの聞き込みで、容疑者の男性はあっさりと特定されます。容疑者は自暴自棄になって様々な酒場で喧嘩を売っていることが明らかになります。容疑者はミュージカルスターになろうとしたものの、夢が叶わず自暴自棄になったのではないか、と一係は推理します。容疑者は最後の挑戦と考えていたオーディションに落ちたものの、容疑者の恋人は主役に抜擢されたのでした。その後、恋人は容疑者に手切れ金を渡して別れます。けっきょく、真犯人は別におり、容疑者の元恋人の証言により逮捕されたのですが、女性は真犯人に刺されてしまいます。トシさんの打つ手がことごとく女性を追い込み、女性から夢を奪った感じで、かなり後味の悪い話でした。盛り上がりにも欠けていたので、久々にかなりの低評価としました。


650話「山村刑事左遷命令」7
 浮浪者が自動車に轢かれます。翌日、代議士の運転手が自首してきます。自動車には代議士とホステスが同乗していた、と運転手は証言します。山さんは、運転手が誰かを庇っているのではないかと考え、運転していたのは代議士本人ではないか、と一係は推理します。暴力団を用い、弁護士を通じて圧力をかけてくる政治家を相手に、山さんは粘り強く捜査を進めます。巨悪との対決は本作でもたまに見られますが、今回は山さんが主役ということで、久々に初期の頃の熱さもある山さんが見られ、なかなかよかったと思います。ただ、代議士が山さんの強引な要求に素直に応じすぎた感は否めませんでした。織本順吉氏・立川光貴(立川三貴)氏・竹井みどり氏がゲストで、なかなか豪華な配役だと思います。


651話「号泣」7
 男性から財布を盗もうとしたすり常習犯の男性が、相手の男性に気づかれて殺され、財布を盗まれます。容疑者はすぐに特定されましたが、整形している可能性が高いため、捜査は難航します。ラガーは、喫茶店の従業員の若い女性が何か知っているのではないか、と思って再び聞き込みに行くと、女性の母親がかつて今回の事件の容疑者に殺された、と明らかになります。容疑者が二転三転したことも含めて、謎解き要素が強く、なかなか楽しめました。結局は、容疑者ではないかな、とすぐに私が思い(視聴者の多くも気づいたでしょうが)、ラガーも当初容疑者と考えていた喫茶店のマスターが真犯人でした。真犯人の心理がもっと丁寧に描かれていればよかったのですが、1話でそこまで描くのは難しいでしょうか。1976年放送の大河ドラマ『風と雲と虹と』で露口茂氏が演じた田原藤太(藤原秀郷)の第一の郎党である佐野八郎役だった松村彦次郎氏が証言者として出演していましたが(関連記事)、残念ながら山さんとの絡みはありませんでした。


652話「相続ゲーム」7
 男性が釣りの最中に殺され、直後にその娘が襲撃されます。娘は男性の実子ではなく、娘の証言から、殺された男性はきょうだい達と仲が悪く、3億円ほどの資産を有していた、と明らかになります。娘は、犯人を見つけるため、ドックに自分の婚約者を装ってほしい、と言います。資産をめぐる人間心理が描かれ、謎解き要素もあってなかなか面白くなっていました。きょうだいの分担による殺人計画というオチもなかなかよかった、と思います。このように若い女性と深く関わり、謎解き要素のある話の主役ですと、以前ならば殿下が最適だったでしょうが、現在のレギュラーメンバーならば、やはりドックで正解かな、と思います。

この記事へのコメント

いち
2017年07月25日 23:31
こんばんは。この頃のドックは、主演作からして知的さが強調されているように思います。医大中退なので学識は当然のこと。登場当初は知的さより軽さが勝ってたと思います。劉さんは軽さに関して抵抗があったようですが、最近のドックはそれほど悪くないのではないですか?
2017年07月26日 05:48
ドックはこの頃には、若手を束ねる中堅になってきた感があり、悪くないと思います。ドック主演作も、落ち着いた話が多くなってきた感もあります。

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