大河ドラマ『おんな城主 直虎』第23回「盗賊は二度仏を盗む」

 これは6月12日分の記事として掲載しておきます。近藤康用が直虎(次郎法師)を訪ねてきて、近藤の菩提寺から本尊が盗まれた、と訴えます。直虎が盗賊団を処罰しないどころか、領内に引き入れていると知った近藤康用は、盗賊団を引き渡すよう、直虎に要求してきます。近藤康用に問い質された直虎は誤魔化そうとしますが、思わず、領内に引き入れた者たちが盗賊団だと認めてしまいます。近藤康用は激昂し、小野政次(鶴丸)は盗賊団を近藤康用に引き渡すと約束します。しかし直虎は、盗賊団を逃すよう、中野直之に命じます。近藤康用は盗賊団を捕らえに行きますが、盗賊団は間一髪のところで逃げ出します。

 南渓和尚は、近藤家の菩提寺に代わりの本尊を寄進することで近藤と和解してはどうか、と直虎に進言します。直虎は南渓和尚の進言にしたがい、近藤と和解することにしましたが、両者の間にわだかまりは残ります。近藤康用とともに直虎と南渓和尚が近藤家の菩提寺に赴くと、盗まれたはずの仏像が安置されていました。近藤康用は、それは本尊ではない、と言い逃れようとしますが、南渓和尚に制作者という証拠を突き付けられ、南渓和尚の進言を受け入れて井伊と和解します。じつは、近藤家の菩提寺の和尚が本尊を隠していたところ、龍雲丸がそれを盗み出し、本来安置されていた場所に戻したのでした。直虎は、盗賊団が井伊領に留まってくれるのか、心配しますが、戻って来るためにこんな面倒なことをしたのだ、と龍雲丸は言います。

 中野直之は盗賊団を召し抱えるよう直虎に進言し、瀬戸方久も賛同します。直虎は政次がどう考えているのか、心配しますが、近藤康用が捕らえに来ると盗賊団に教えたのは政次だったことが分かります。直虎は政次に、盗賊団を召し抱えることについてどう考えているのか、本音で答えるよう問います。政次は、反対はしないものの、盗賊団に利用されることのないようにしてもらいたい、もしそうなれば、自分は直虎の追放を本気で考えねばならない、と答えます。直虎に自分を召し抱えたいと言われた龍雲丸は、配下から意見を聞き、井伊家に仕える決心を固めたように見えましたが、当初契約した滞在期限が切れる日に直虎に会い、井伊家には仕官しない、と伝えます。

 今回は、直虎と盗賊団の関係を中心に話が進みました。盗賊団の頭領の龍雲丸が直虎からの仕官依頼を断ったのは、直虎をはじめとして井伊家中の者にも龍雲丸の配下にも意外なことでした。龍雲丸は、龍のような雲を見て、自分は自由に世を渡っていかねばならない、と考え直したのでしょうか。直虎と政次との関係も気になるところで、政次は、井伊家を守るためには直虎を当主の座から引きずり下ろすこともあり得る、と明言しました。これは、今後の展開の伏線になりそうで、注目されます。また、政次があるいは労咳を患っているのではないか、と思わせる描写も気になります。これも、政次の最期と関わってくるのでしょうか。

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