マリタ遺跡の少年のDNA解析について

 これは4月5日分の記事として掲載しておきます。南中央シベリアのマリタ(Mal’ta)遺跡の少年(MA-1)のDNA解析結果について、以前このブログで取り上げました(関連記事)。その後、私も最近投稿したある掲示板で、その記事について、「アンタが出したあのブログが君のかどうかすら、さっぱりわからん!」とか、「私が日本語訳を引用したものをコピペして検索し、あのブログにたどりつき、アンタが勝手に自分のブログにしたのかもしれん」と言い出す人がいたので、その掲示板で「sicambre」として投稿しているのが、このブログの管理人であることを明記しておきます。なお、上記の記事を2013年11月に掲載した後、2014年1月2日に『ネイチャー』の日本語サイトに解説記事が掲載されていたことに気づいたので、以下に引用します。


集団遺伝学:後期旧石器時代のシベリア人ゲノムから、アメリカ先住民の祖先は2系統であることが判明

集団遺伝学:最初のアメリカ先住民の絡み合ったルーツ

 最も初期のアメリカ先住民であるファースト・アメリカンはどこから来たのか、そしてどんな人たちだったのだろうか。どちらの疑問についても、遺伝学や考古学による証拠の解釈によって答えが分かれている。だが今回、シベリア中南部のマリタで発掘された2万4000年前のヒト標本のゲノム概要配列が解読されたことで、事態の解明が進むかもしれない。この概要配列は、これまでに報告された現生人類ゲノム塩基配列の中で最古のものである。E Willerslevたちは、このマリタの個体が遺伝学的に現代のアメリカ先住民と近い関係にあり、系統的にみると現代の西ユーラシア人の基部に位置するが、東アジア人とは近縁でないことを明らかにした。このことは、現代の西ユーラシア人に近縁な集団が、過去には一般に考えられているよりも北東の地域に分布していたことを意味している。著者たちは、アメリカ先住民の祖先の14~38%がこの古代のマリタ集団を起源とする、つまり東アジア系ではなく西ユーラシア系であると推定している。ファースト・アメリカンの一部の頭蓋骨には東アジア人と異なる特徴があることが報告されていたが、その理由もこのような起源の違いによって説明できるかもしれない。

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